英語不規則動詞の覚え方
英語の不規則動詞は、全く不規則というわけではない。原形の時点で似ている動詞は、似たような活用をする。こういうのをまとめて覚えておくと、暗記量が減って勉強の効率がよくなる。
英語が得意な人は不規則動詞のリストを眺めた瞬間にこういうことに気付くのだけど、なかなか気付けない人も結構いるのでそういう人のために覚えておくといいグループを軽くまとめておく。

スポーツ・芸術・旅行・文化・教育のあらゆる分野に関する分析や考察を記しています。
英語の不規則動詞は、全く不規則というわけではない。原形の時点で似ている動詞は、似たような活用をする。こういうのをまとめて覚えておくと、暗記量が減って勉強の効率がよくなる。
英語が得意な人は不規則動詞のリストを眺めた瞬間にこういうことに気付くのだけど、なかなか気付けない人も結構いるのでそういう人のために覚えておくといいグループを軽くまとめておく。
大学時代ゲオの近くに住んで1日3~5本の映画を見続けたぼくによると、映画の本質は狂気と芸術だ。監督の狂った才能を映画という形に昇華すると、それが芸術となって表れる。
時には娯楽映画もいい。映画を見て「元気になった!」「学んだ!」と実益を求めるのもいい。ただ、本当に映画に向き合うというのは、そういうことではない。本物の映画に対面するとき、人は圧倒され、黙り込み、静かに興奮する。
この記事では、そうした真の「映画体験」を与えてくれる芸術的な作品たちを紹介する。どれも人生で一度は絶対に観るべき映画。ぼくが魂を揺さぶられた厳選の50作品だ。
監督:ウディ・アレン
妙にリアルな男女の日常と生い立ちとこれからをアンニュイな感じで美しく描き出す名作。ウディ・アレン監督は否定しているが、明らかに監督の自伝的作品である。アニー・ホールのファッションにも注目が集まった。
監督:トニー・ケイ
白人至上主義ギャングのカリスマのデレクと、デレクの弟で彼を崇拝するダニーを中心にアメリカ社会の病理を描き出す怪作。3年間の服役から帰ってきた兄は穏やかになっていた。弟はそんな兄に反発し、ますます狂った道を突き進むが…。
監督:ラース・フォン・トリアー
失明していく病と、狂った精神と、母の愛。あのマツコ・デラックスもラジオで好きな映画としてお薦めしていた本作。鬱々とした気分になりたいときに。監督は鬱病持ち。
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
監視社会下の旧東ドイツ。管理する側のヴィースラー大尉は、管理対象の美しい生き方と音楽に触れるにつれ、心を揺さぶられていく。
監督:エリック・トレダノ
学はないがユーモアと思いやりのある黒人青年と、著名な文学者の心の交流を描いた、分かりやすく楽しめるフランス映画。といって大衆的すぎることなく、美しい映像と物憂げな表現によって芸術的な側面も見せてくれるバランスの良い作品。
監督:クリストファー・ノーラン
10分間しか記憶が保てないレナードが主人公で、記憶を辿るように時系列を逆回しに進めていく映画。クリストファー・ノーラン監督らしい練りに練った脚本。一回見ただけではストーリーは完璧には分からないかもしれないが、それでも見終わったときには「すごい!」と叫んでいるだろう。
監督:ロバート・ゼメキス
うすのろの主人公フォレスト・ガンプがいじめられたり成功したり女の子を好きになったり報われなかったりする映画。こんなに雑多なテーマでここまでの映画に仕上げるのはロバート・ゼメキス監督の腕としかいえない。見るたび謎の虚しさを感じてしまう作品。
監督:ジャウム・コレット=セラ
実は映画通であるくりぃむしちゅーの有田さんも激推しのホラー映画。シックス・センスやエクソシストに連なる、洋画ホラーの新たなる金字塔といえる作品。エスター役のイザベル・ファーマンの演技力がすごい。ただ物陰から急に何かがでてきて驚かせるような安易なホラーではない。ストーリーが展開するにつれ、尾てい骨あたりからぞっとする感覚が広がっていく。
監督:リチャード・リンクレイター
「ビフォア・サンライズ」「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」と9年おきに発表されたビフォアシリーズの2作目。イーサン・ホークとジュリー・デルピーの美しい物語。1作目の「ビフォア・サンライズ」を見ている前提の映画なので、まずは1作目からどうぞ。
監督:リュック・ベッソン
殺し屋と、彼に師事する少女の話。ベタだけど飽きさせないストーリーと、美しく幼きナタリー・ポートマン。この映画を面白くないという人はまずいないので、絶対にハズレのない映画が見たいときにオススメ。悪役のゲーリー・オールドマンもハマり役で、演者たちがみんな良い味を出している。
監督:デヴィッド・リンチ
あの奇才デヴィッド・リンチ監督が「普通」の映画を撮ったらこうなるという例。頑固ジジイが時速8キロのトラクターで病気の兄に会いに行くロードムービー。この物語の美しい部分は、主人公アルヴィン・ストレイトの頑固といえば頑固だが、実直といえば実直という「ストレート」すぎる生き方だ。
監督:マシュー・ヴォーン
キック・アスこそ最高のB級映画。クロエ・モレッツ可愛い。気軽に観られて、ストーリーは狂っている。そんな映画でオススメといえば絶対にキック・アスは外せない。
監督:ロジャー・ミッシェル
大女優と一般人男性の禁断の恋愛を描いた作品。まずはこの設定が良い。それに加え、同居人スパイクなどの愉快すぎるキャラクター。美しきジュリア・ロバーツ。ヒュー・グラントの最高の演技。名曲She。これ以上に幸せな恋愛映画はない(断言)。女性にも迷いなくオススメできる映画。洋画ロマンスの決定版。
監督:スパイク・ジョーンズ
俳優ジョン・マルコヴィッチの脳内へと繋がる穴を見つけた青年の話。ただのコメディかとおもいきや、話はとんでもない方向に…。初めから奇想天外なのに、そこからどんどん狂っていくストーリー。変なものを変なものとして受け入れられる人にだけオススメする映画。
監督:スティーヴン・スピルバーグ
宇宙人との邂逅をリアルに突き詰めて描いた作品。スピルバーグ監督の映画といえば「ジョーズ」「ジュラシック・パーク」「インディ・ジョーンズ」を初め、大ヒット作品は山ほどあるが、芸術的という観点では「未知との遭遇」は外せない。ジョン・ウィリアムズの完璧すぎる音楽が最高にマッチしている。現代、これより面白いSF作品はいくつもあるが、芸術性でこれに勝る作品にはそうお目にかかれない。
監督:ジェームズ・キャメロン
巨匠ジェームズ・キャメロンが3D作品を本気で撮ったということで話題になった作品。映像は超一流、ストーリーもなかなか良い。アバターではナヴィ語という人工言語が出てくるが、これがまたよく出来ている。放出音と、母音(あるいは音節核)として用いられているふるえ音の2つの発音がナヴィ語にエキゾチックさを加えていて、見ればマネしてみたくなるはず。
監督:ロベルト・ベニーニ
ユダヤ人に対する迫害行為の流れで、強制収容所へと連れて行かれた家族。これを父親のユーモアでゲームと思い込み、乗り切ろうとする息子のジョズエ。ストーリーはシンプルながらも評判が高く、誰にでもオススメできる名作。
監督:デニス・ホッパー
アメリカ文化に興味がなければ魅力は半減するかもしれないが、それでも本作は表現力が高く、「映画を見たなぁ」という気分になれる作品。自由を標榜する強国アメリカが抱える矛盾を描き出す。単純にロードムービーとしてもかっこいい。
監督:クァク・ジェヨン
恋愛物の韓国映画は本当にレベルが高い。 その中でも特にオススメなのがこちら。美人で人使いが荒いけれど、本当は繊細な心を持った女性に振り回される冴えない優しい男のストーリー。低予算ながら質が高く、ファンの多い作品。
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
映写師と少年の心の交流を描いた感動の名作イタリア映画。ただの仲良しではなくて、本当に心から少年の将来のことを考えてくれていた映写師の行動が美しいポイント。初公開版と完全オリジナル版の2種類あり、後者の方が50分ほど長い。前者の方が簡潔でより感動できるとの声が多く、初めに見るなら初公開版をオススメしたい。
監督:クエンティン・タランティーノ
地味めのギャングの犯罪を主体とするいくつかのストーリーを、時系列をシャッフルして描き出した作品。名作と名高い映画だが、名作と思って見るとつまらないかもしれない。根本はくだらない映画なのだけど、不完全な子どもを見守るような気持ちで観てみるとすごく愛着が湧いてくるような不思議な映画。
監督:西川美和
智恵子の死は、事故なのか、事件なのか-。脚本とキャスティングが素晴らしく、飽きさせない映画。劇中でオダギリジョーが乗る車など、選ばれているモノにもセンスが溢れている。ストーリーは面白く、観て美しい邦画の傑作。「ゆれる」というタイトルも素晴らしく、作中ではいろいろなものが揺れている。終わってから揺れていたものは何か振り返ってみてほしい。
監督:リチャード・リンクレイター
「ビフォア・サンライズ」「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」と9年おきに発表されたビフォアシリーズの始まり。ウィーンで偶然出会った二人の若き男女が一晩にして恋に落ちる物語。ロマンチックすぎる設定なのに、ドキュメンタリーのようなリアルさを帯びているのは、主演の二人が共同で脚本にも関わっているからだろう。彼ら自身を投影しているかのような自然体の演技がこの映画の魅力をいっそう高めている。
監督:パーシー・アドロン
ドイツからの太った旅行者ヤスミンが、砂漠の中のさびれたカフェをちょっとだけ盛り上げる物語。基本的にはほのぼの元気なストーリーなのだけど、荒涼とした砂漠の映像と音楽の哀愁感との合わせ方がたまらない。
監督:デヴィッド・フィンチャー
ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの怪演が素晴らしい傑作サスペンス・ホラー。ストーリーはサスペンスとしては最高の部類。決して映画を見る前にネタバレを見ないようにしたい。作りこまれたストーリーと、ダークな画作りが美しい映画。
監督:クエンティン・タランティーノ
クエンティン・タランティーノ監督といえば、「パルプ・フィクション」が名作と名高いが、ぼくは処女作である「レザボア・ドッグス」の方をオススメしたい。お互いに素性を知らない6人が集まり銀行強盗をしたが、その計画が警察に知られていたことから誰か裏切り者がいる…という話。過激な暴力描写と、タランティーノらしい気の利いたオシャレな脚本が魅力。 一作目からタランティーノらしさにどっぷり浸れる作品。
ホラーが苦手な方のために、商品画像は表示していません。
監督:清水崇
Jホラーとしては「リング」と連なる2大巨頭、呪怨。その本当の始まりの一作が「呪怨 ビデオオリジナル版」。低予算で製作されたにもかかわらず口コミで話題を集め、最終的にはハリウッド進出するまで上り詰めた夢のある作品。Jホラーは深夜0時以降、電気を消して一人で見ましょう。
監督:長谷川和彦
邦画の最高傑作の一つ。邦画の名作が見たければ、「七人の侍」よりもまずはこちらを見ていただきたい。中学校教師が原爆を作成し、日本政府を脅すという狂ったストーリー。公開当時興行的に成功しなかったのでしばらくカルト映画扱いだったらしいが、時間の審判によって今では正当な評価を得た。圧倒的な熱量と、理屈を語らぬ芸術性が素晴らしい名作。
監督:ラース・フォン・トリアー
ラース・フォン・トリアー監督にしか撮れない鬱映画。黒い床に白線が描かれた簡易セットの中で、俳優たちがパントマイムのように演じる中で浮かび上がる人間の本当の姿。鬱々とした気分になりたいときにどうぞ。
監督:トニー・スコット
こちらはクエンティン・タランティーノ脚本作品で、やはりその脚本のうまさが出ている。ロードムービーとアクションとロマンスの良いところが全部詰まった作品。どことなく漂ってくるB級感と、中学生男子が思い描いたような優しいヒロインが最高。あるようでないようなリアリズム。軽く観られて、それでいて芸術的な美しい映画。
監督:ジェームズ・キャメロン
さすがジェームズ・キャメロン監督というほかない映画。ただの娯楽映画ではない、セリフと映像と音楽の全てにジェームズ・キャメロン監督の映画哲学が表れた最高傑作。特にターミネーター2は完璧というほかない、非の打ち所がない映画。終わりに向けての盛り上げ方がうますぎる。続編としてターミネーター3,4があるが、これらはジェームズ・キャメロン監督作品ではない。出来栄えのほどは残念作品といってしまいたいレベル。
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
カルト映画界の伝説的作品。監督がただ単に自分が撮りたいものを撮ったら結果的にこうなったという感じのする映画。ストーリーは最強のガンマンの流浪の旅という感じなのだけど、宗教的でよく分からないところも多い。ややこしいことは考えないで適当に観るのが良い。実はジョン・レノンをはじめ、この作品のファンである超有名人も多いとのこと。「奇妙奇天烈」「謎の世界観」という言葉がピッタリの奇跡のB級映画。
監督:園子温
大した中身はないB級映画。監督の露骨に変なものを撮ってやろうという姿勢が少々癪に障るものの、それが意外と良い方向に転がっている。4時間という長さも満島ひかりの怪演によって何とかなっている。あまり良い映画とはいえないけれど、変なもの好きとしては一応推しておきたい、いや、推しておかざるを得ない一作。
監督:スタンリー・キューブリック
キューブリック監督作品。双子の少女、赤い液体が流れだすシーン、迷路、ジャック・ニコルソンの顔などなど、象徴的に映像を撮る試みのお手本といえる作品。ストーリーの方は少年の特殊能力がイマイチ活かしきれていなかったりして、手放しに褒めることはできないが、感覚に直接訴えかける映像の作り方は見事と言うほかない。洋画ホラーなので、背筋が凍るようなJホラーに慣れた日本人にとっては、怖さは物足りないかもしれない。
監督:ジョージ・ミラー
マッドマックスシリーズは、メル・ギブソン演じる無口なマックスの活躍が爽快なカルト映画。一作目は低予算ながら、荒廃した世界で多くを語らずに悪を駆逐するマックスのかっこよさによりヒット作となった。このヒットを受けて作られた続編のマッドマックス2は更に狂気と面白さが増しており、これを元にあの名作マンガ「北斗の拳」が作られたほど。
監督:ジョン・マクティアナン他
頭脳派で人間味溢れる新たなアクションヒーローの誕生。正統派アクション映画はダイ・ハードで完成したと言えるほどの完成度。シリーズ1作目は悪役ハンスの冷徹さが映画を引き締め、131分という上映時間が一瞬で過ぎ去るように感じるほど緊張感にあふれた映画。シリーズ2作目~4作目も、1作目ほどではないが十分に面白く、続編がキッチリと成功し続けた良いシリーズ。ただし5作目は駄作。
監督:アンドレイ・タルコフスキー
クラシックしかり、圧倒的に優れた芸術というのは眠いものなのかもしれない。タルコフスキー作品も同様で、長く難解なセリフ回しと美しい自然風景の描写が続き、起きて観続けるのはほとんど困難とも言える映画。ただ、それを超えて本当に美しい。少々退屈でも文句なく芸術的なものに触れたいときにオススメする。
監督:ティム・バートン
見た目がキモすぎる火星人に地球人がやられまくるB級映画。(脳みそが大きいのに)思慮深いようには見えない、そのくせなぜか文明は発達している火星人に全く敵わない地球人。ただ、その残虐すぎる火星人の姿がかつてアメリカ大陸を支配した西洋人と被って見えてくる。まあ、そんな難しいことを考えて観るような映画ではない。「なんか良い」「なんか好き」そう思える映画であり、そういう理屈を超えた感情こそ美しいのではないだろうか。
監督:フランクリン・J・シャフナー
とある惑星に不時着した宇宙飛行士3人。その惑星では、猿が英語を喋り、人類は奴隷のような扱いを受けていた…。衝撃的な設定の映画だが、それだけでなく見せ方も上手くて、結論を知ったうえでもう一度見てもやはり面白く感じられる。未見の方は、ネタバレに注意しながら観るべし。ついうっかりするとすぐにネタバレに出くわしてしまうので気をつけよう。
※猿の惑星にはリメイク版も存在するが、リメイク版は駄作。オリジナル版を見ましょう。
監督:ジェームズ・キャメロン
「アバター」「ターミネーター」そして「タイタニック」。娯楽作品として親しまれているが、その実高い芸術性も誇る不朽の名作をいくつも世に送り出した天才ジェームズ・キャメロン。彼の作品の中でも最も評価されたのが「タイタニック」だ。あまりに有名なので説明の必要もないかもしれないが、二人で船首に立つ象徴的なシーンなど、何度も見たいと思える美しい場面がたくさんある映画。
監督:デヴィッド・リンチ
奇才デヴィッド・リンチ監督の常軌を逸した作品群の一つ。彼の作品はどれも素晴らしいのだけれど、ここでは濃厚すぎる処女作「イレイザーヘッド」を推しておく。これを20分ほど観てみて、合わなければやめれば良いし、もし面白いと思えるならリンチ作品を全作観てしまおう。彼の作品に意味など求めてはいけない。ただそこにある映像を思考停止して眺めているだけでも、体の芯がその映像を体験し、それが一つの「映画体験」となるのだ。
監督:リドリー・スコット
日常に倦怠感を感じる女性二人が刺激を求めて旅に出かけ、あれよあれよという間に大変なことになっていくロードムービー。何といっても脚本が映画向きで美しい。中盤以降は特に目が離せない展開。ただし戸田奈津子翻訳字幕が玉にキズで、特有のジョークの多くがスルーされてしまっている。この作品だけでもまともな翻訳家に訂正してもらったものを販売していただきたい。
監督:ジム・ジャームッシュ
流されるまま、行き当たりばったりに行動する3人の男たちのロードムービー。「大学受験して、良い大学に入り、大企業に入る」ことが成功と考えられる日本社会にあって、「ダウン・バイ・ロー」に描かれるようなあてもなく漂う生き方を観てしまうと、目的に向かって一直線に走り続ける人生が本当に正しいのかと疑う気持ちがふつふつと湧き上がってくる。何でもないロードムービーが見たい方にオススメ。
監督:フランシス・フォード・コッポラ
「ヤクザがドンパチやるだけの映画でしょ?」と思ってゴッドファーザーをまだ観ていないあなたは、映画人生を損している。トップに立つとは何か。理屈のない信頼とは何か。家族の愛とは何か。末期ガンのようにじわじわと訪れる悲劇の裏に、栄枯盛衰の虚しさが表現されている。そこに完璧にマッチする映像と音楽。アル・パチーノやロバート・デ・ニーロの名演。映画のすべてが凝縮されている。オールタイムベストの常連に相応しい貫禄を持つ作品だ。
監督:スタンリー・キューブリック
芸術的で眠い映画の代表・2001年宇宙の旅。これが眠いのは当たり前。ストーリーの解釈に必要な説明をすべて省き、そこに心地よいクラシックをつけているのだから。この神秘的な名作を楽しむためには、ネットで調べるなり原作となった本を読むなりして予めストーリーを知っておく必要がある。この映画は、ストーリーを知っているという前提で、そのストーリーを天才スタンリー・キューブリックがどのように映像として表現するか、それを楽しむ映画なのだ。そのため、キューブリック作品の1作目としてはこの映画はオススメしない。既に別の作品でキューブリック作品の魅力にとりつかれた人が、さらにその天才性を味わいたい場合には格別の1作である。
監督:小津安二郎
日本人に生まれたからには、見ておく必要がある映画。海外の批評家からオールタイム・ベストに選ばれることも多い名作を、母国語で堪能できるのは贅沢すぎる。薄まりゆく家族の繋がりを冷徹に描いたテーマは、公開から60年が経過した今も全く色褪せない。むしろ、現代日本人が見るべき映画だといえる。大学進学、就職、結婚、ほとんどの人が何らかのタイミングで実家を離れて暮らすことになる現代、この小津安二郎の名作を見ると胸の奥がぐっと掴まれるような感覚を覚えるはずだ。洋画では絶対に味わえない映画体験がそこにある。
監督:フランシス・フォード・コッポラ
ベトナム戦争を舞台にした映画。ただし、ベトナム戦争はこの映画の舞台であってテーマではない。「地獄の黙示録」が描き出すのは、暗殺ミッションを課されたウィラード大尉の精神状態の異様な移り変わりだ。この映画には、オリジナルバージョンである劇場公開版とそれより50分長い特別完全版があるが、人間の狂気を映し出す映画としてはオリジナルの劇場公開版の方が優れている。迷ったらまずは劇場公開版を観てみよう。
監督:マーティン・スコセッシ
「デ・ニーロ・アプローチ」という言葉が生まれるほどにストイックな役作りをするロバート・デニーロの代表作。戦争から帰りタクシードライバーとなった孤独な青年は、アメリカ社会の矛盾を感じてフラストレーションを募らせる。ネオンが光るニューヨークは、人間が目指すべき発展の姿なのだろうか。虚しさが横たわるストーリーに、美しいサックス音楽と映像がマッチした完璧と呼んでいい映画の一つ。これを見ずして映画は語れない。
監督:ジャン=リュック・ゴダール
男女の逃避行を描いた物語。原色を多用した華やかな映像と、意味不明な二人の掛け合い。観る者を無視するように勝手にストーリーは進んでいくが、物語自体はシンプルなので何が起こっているかは簡単に把握できる。ただ、これを解釈しようとすると途方も無い自由が与えられていて困惑する。要するに「好きなように観て感じろ」ということであり、これが心地良い人には心地良い。たとえば旅行する際、常にガイドブックの命じるがまま決められた場所を訪れたいタイプの人はこの映画を観ても一つも楽しくないのだろう。美しいものをただそのまま美しいと、自分の好きなように感じたい人にとっては宝物のような映画になる。
監督:スタンリー・キューブリック
過激な暴力と性に明け暮れる青年が、非人間的ともいえる強制的な治療を受けて暴力を反射的に嫌悪する人間になる話。2001年宇宙の旅より分かりやすいストーリーでありながら、引けをとらない芸術的な映像と音楽。そこに主演マルコム・マクダウェルの遊び心を伴う演技が重なり、芸術と娯楽のバランスが取れた名作となっている。難解さはなく楽しみやすいので、芸術的映画を楽しむための第一作目としてオススメする。
暴力描写がやや過激なので、苦手な人は無理をしないように。
映画の役割はいったい何だろうか。人に物語を伝えるという意味では本と似ている。では、映画と本はいったい何が違うのだろうか。一つの大きな違いは、映画ではストーリーと映像と音楽が同時に進行するということだ。名作映画はどれも、ストーリー・映像・音楽の全てが高いレベルで存在し、この三者が混ざり合って一つの芸術となっている。だからこそ、映画とは理解するものではなく、感じるものであり、体験するものなのだ。
この記事で挙げた映画は全て、心で感じる映画だ。全部があなたの心も揺さぶってくれるとは限らないが、多くがそうだと信じている。ぼくの魂が揺さぶられた厳選の50作、その全てをあなたも人生で一度は観てみてほしい。

英語のネイティブスピーカーが持っている現在完了のイメージは、「過去の出来事が向かってきて現在に影響」だ。過去のある出来事が、ボールのように飛んできて現在の自分にドカーンとぶつかって、「ぐはっ」と影響を受けているような感覚。
一方、日本人にとって現在完了と意味の違いがややこしい過去形は、下図のようなイメージ。

過去形では過去の出来事はただただ昔の出来事として存在しており、それを淡々と過去の出来事として眺めている感覚。現在完了形とは違って、出来事の方からこっちに向かってくるような感覚は過去形にはない。

レスター、奇跡のリーグ優勝達成!おめでとう!
2015/16シーズン、レスター・シティは奇跡のリーグ優勝を達成した。しかしシーズン当初を振り返ってみると、レスターの快進撃を予想するものは皆無に近かった。むしろ、レスターに期待されていたのは残留だ。
本記事では、残留争いが予想されていたチームが優勝を目前とするまでの間に、監督のインタビューでの発言や周りの声がどのように変化していったかを振り返る。
満席の回、続出!『名探偵コナン』最新作が動員ランキング第1位 | ぴあ映画生活 https://t.co/lukjiXgdUU #映画 #eiga pic.twitter.com/gQWQ2QFdUJ
— ぴあ映画生活 (@eiga_pia) 2016年4月18日
ぼくは名探偵コナンのライトファンで、普段から名探偵コナンのアニメやマンガは追っていない。でも映画とか重要な回は楽しめるように、黒の組織関連の重要な情報だけはネットでたびたび収集してまとめている。
新作映画公開後しばらく経った微妙なタイミングだが、ふと「この情報はひょっとして需要があるのかも…?」と思ったので、軽く形を整えて公開することにした。映画『純黒の悪夢』のネタバレは無いので安心していただきたい。

海外で活躍する日本代表サッカー選手も多くなってきた。本田圭佑や香川真司といったスター達を中心に、移籍の話題が盛んに報じられている。一人の選手の移籍金として100億円以上が支払われ、メディアを賑わせることもある。でも、この移籍金という概念がサッカーに馴染みの薄い人には分かりにくいのではないだろうか?選手の収入になると誤解している人も少なくない。
そこで今回の記事では、海外サッカーを追い続けているぼくが移籍金の考え方について誰でもわかるように解説する。また、サッカー選手はチームから「年俸」という形でお給料をもらっているが、年俸と移籍金の違いについても整理して説明する。
2015/16シーズン、レスター・シティは奇跡の優勝を達成した。本当におめでとう。
でもそのレスターを率いたラニエリ監督でさえ、来年は10位を目指すと公言している(ラニエリ監督が控えめなのはいつものことなんだけど)。
Claudio Ranieri wants Leicester City to ‘try to fight for a top 10 place’ next season | Metro News
来年初めてのチャンピオンズ・リーグを戦うことを考えても、我々は10位以内を目指して戦うことになるだろう
また、今シーズンはレスターに勝ち点10位上の差をつけられ、36節終了時点で4位につけているマンチェスター・シティを率いるマヌエル・ペジェグリーニ監督も、来季のレスターはトップ8にも入れないと予想している。
レスターの躍進は今季だけだ! マンC監督「彼らは来年8位にすら入れない」 (theWORLD(ザ・ワールド)) – Yahoo!ニュース
今季成し遂げたことは称賛に値するが、彼らは来季トップ8にすら入ることができないと思うよ。現在すべてのビッグクラブは多額の投資によって成り立っている。
※多額の投資で選手を補強しておきながら今シーズンはレスターに勝ち点差10以上つけられ、直接対決では1分1敗という成績を残したマンCの監督の「すべてのビッグクラブは多額の投資によって成り立っている(キリッ」発言はあんまりな気がするが…
また、来シーズンのレスターの優勝オッズより降格オッズの方が低い(=優勝確率より降格確率の方が高いと見積もられている)ということも話題になった:
Leicester City are at longer odds (33/1) to win the premier league next season than to be relegated (25/1) (レスターの優勝オッズ(33倍)は降格オッズ(25倍)より高い)-某海外掲示板より
これほどまでにレスターの来シーズンへの期待度が低い理由は、日頃から欧州サッカーを追いかけている人にはよく分かるが、そうでない人には理解しがたい部分もあるのではないかと思う。なので、以下では普段サッカーを見ない人たちにも分かるように、なぜレスターが今シーズンの躍進を継続するのが難しいと見られているかを解説する。
“レスターが2017年は優勝できない理由を普段サッカーを見ない人にも分かるように説明する(&来季順位予想)” の続きを読む

初めに、こんな記事を書くぼくの実績を紹介する。入試直前期に解いた東大理科(物理+化学)過去問の直近10年分の平均点は120点満点中117点だった。割合でいうと9割7分。所要時間は150分中80分くらいだった。もちろんその過去問を解くのは二周目ではない。そういうわけで、国内の同学年では指折りのレベルで受験理科をマスターしていた自信がある。
そんなぼくも、もともと理科は別に好きでも得意でもなくて、秋の東大模試では物理+化学で120点満点中40点くらいという平凡な数字だった。結果を見たときは少し焦ったが、センター試験から二次試験までの1ヶ月間の猛勉強で、冒頭のとおり過去問で満点近くとれるレベルまで達することができた。
この経験をもとに、今回の記事では短期間で物理を得点源にする効率的な勉強方法をご紹介する。ただし、決して怪しい裏道ではなく、王道かつ正攻法である。ぼく自身が中高6年間塾には通わず独学で通したので、今回の記事は同じように独学で頑張る人を対象としている。
注:同じやり方をすれば誰でも高得点がとれるようになるわけではないという当然の事実にはご注意いただきたい。勉強にはコツがあり、そのコツを体得できているかどうかで効率がぜんぜん違う。ぼくが実践していた勉強法については、こちらの勉強のコツの記事をご参照ください。
多くの理系受験生は「物理・化学」か「化学・生物」という選択をする。要するに物理か生物かを悩むわけだが、単純に入試のことだけを考えれば、暗記が好きなら生物、考えるのが好きなら物理という考え方で良いと思う。
物理では覚えることが少ないというのは本当だけど、その分悩まないと理解できないことが多い。分からないことに向き合って考え続けて、「ああ、そういうことか!」と分かったときの快感が好きなタイプが物理に向いていると言える。
え?どっちも好きじゃないって?…苦しいけど頑張ろう!
物理には力学・電磁気学・熱力学・波動という4分野がある。原子は二次試験ではほとんど出ないし、センター試験では熱力学との選択なのでここでは無視ということで。
センター試験ではこの4分野からまんべんなく出題される。
二次試験では、力学と電磁気学で大問1つずつ、熱力学・波動のどちらかで大問1つという構成が多い。東大では第3問で熱力学と波動が毎年交互に出題されるとか、京大は熱力学が多いとかそういう大学ごとの傾向があったりするので、詳しい友達に聞くなり軽くネットで調べるなりしておくといい。

問題集を解くときには、
1. 1分考えても分からない問題は答えを見ること。
2. 計算問題はノートに書いて解くこと。
3. 分からなかった問題はすぐに参考書で徹底的に理解。また、その問題にチェックしておき、時間を空けてもう一度解く。チェックが無くなるまでこれを繰り返すこと。
この3点を守ってほしい。1.は時間短縮のためと挫折を防ぐため。2.は、分かったと思った問題でもいざ計算を進めてみると思ったとおりに行かずつまずくことが多いため。自分の「分かった」をあまり信用してはいけない。
物理においては「理解する」ということがとにかく大事なので、解けなかった問題はすぐに参考書等で徹底的に理解することが大事。その場で理解できなくても、チェックしておいて先生に聞くなり後で戻ってくるなりして、なぜその答えになるかをしつこく追究するべき。化学は解法丸暗記でもいいが、物理は時間をかけてでも「理解」にこだわること。
なぜ理解が必要かというと、入試問題は常に生き物のようにうごめき移り変わり、視点を変えて出題されるからだ。物理においては特に、覚える分量が少ない分、あの手この手で出題の視点を変えてくる。したがっていかに深くまで対象を理解し、これに対応できるかが得点を左右することになる。
周りを見回すと、勉強しているようで消しゴムを眺めていたり参考書を漫然とパラパラめくっていたり、1時間勉強しただけで昼寝や気分転換をしてしまったりしている人が意外と多い。もしあなたが本気で成果を出そうとするのなら、そうした人を見るのではなく、ただただ淡々と勉強し続けている人を見ること。そして、その人の勉強姿勢を真似ること。もしそういう人が周りにいない場合、あなた自身がお手本になること。
Be the change you want to see in the world. - Mahatma Gandhi
「世界に変化を求めるのなら、あなた自身がその変化となりなさい」
過去に書いた勉強のコツをご参照ください。
この章では、センター試験~MARCHレベル受験生の鉄板の書を紹介する。
物理のエッセンス
物理のエッセンス 力学・波動 物理のエッセンス 熱・電磁気・原子
定番の書。よくまとまっていて、持っていて時間の節約になることはあっても無駄になることは絶対にないので、よほどお金に困っているのでもない限り全員買うべきかと。参考書と問題集の間のような存在で、解説~例題の流れがスムーズ。
ただし、問題集として使うには微妙。その理由は2つあって、1つめは解説がそこまで詳しくないこと。2つ目は単問ばかりで入試問題っぽくないこと。これらの理由から、問題集は別で用意して、この本は参考書として使うだけというのが贅沢だがいい。いずれにせよこれ一冊でMARCH以上を狙うのは厳しいので、問題集はこの他に必要。
「熱・電磁気」はそこまで評判は高くないが「力学・波動」の方は名著と名高い。高3の初め~夏休み前には仕上げておきたい。
漆原の物理
上記の「物理のエッセンス」は、熱・電磁気・原子の評判はそれほどよくない。決して悪い本ではないのだけど、ちょっと凝縮しすぎていて、あれだけでは分かりづらいところもあるかなという印象。
そういうわけで物理のエッセンスが合わない人、物足りない人も中にはいるので、そういう人には「漆原の物理」をオススメする。化学でもオススメしたDOシリーズの書籍なので、化学でDOシリーズを使っている人は比較的馴染みやすいと思う。こちらにしてみたところで完璧ではないので、もやもやする人はエッセンスと両方使うか、努力で補うしかない。そう、物理の参考書にはまだ「本物の定番」は無いのだ。
良問の風
問題数は148題。
「エッセンス」-「良問の風」-「名問の森」3部作の次男坊。「エッセンス」は参考書、「良問の風」「名問の森」は問題集と理解されることが多い。エッセンスより内容的に難しいというわけではなくて、エッセンスレベルで、より入試問題らしい実践演習ができるように作られている。エッセンスを問題集として使い、例題をきちんと解ききった人には不要と思われる。あくまでエッセンスを参考書として読み、ふさわしいレベルの問題集が欲しいという贅沢な人用。
レベル的には「マーチに十分対応」といったところだが、高得点が狙えるかというと微妙。マーチで高得点を狙うなら、名問の森か重要問題集もある程度やってから過去問演習をやるといい。問題集を良問の風だけで済ませるのなら、過去問演習を徹底的にしっかりとやる必要がある。
また、筆者の方は「エッセンス」と「名問の森」で完成と思っていたところ、「名問の森」は難しすぎるという声を受けてこの本を書いたそうで、「名問の森」に比べると情熱のかけ具合がやや劣るとの声もあり。
東大レベル受験生にはこの本は不要。エッセンスが終わったらもっと難しい問題集にジャンプアップしないと間に合わない。
理系標準問題集
問題数は基本問題が131題、実戦問題が39題。
何らかの理由で良問の風が合わない人に。よくまとまっていて解説も非常に丁寧な良書なのだけど、名前にインパクトが無いからかイマイチ目立たない。難易度的にも問題数的にも良問の風と被ってしまっていて不遇の存在。解説は丁寧で信頼できる良書なのだけど。
基礎問題精講
問題数は105題。
同シリーズの化学は非常に評判も使い勝手も良いのだけど、物理の方は他の問題集に比べて明確な強みを打ち出せていない印象。良問の風や理系標準問題集と難易度的にも被っているので、特別に気に入る要素がなければ使う理由はないかと思う。気になる人はAmazonの「なか見」(Amazonの商品ページで商品画像クリック)で見られるので、見てみるといい。
物理は絶対的にオススメできる問題集があまりなく、どのレベルの受験生も少し不便を感じながら勉強している印象。その中でも信頼できる問題集を以下に紹介する。
重要問題集

実戦 物理重要問題集 (略称:重問「じゅうもん」)
問題数は155題。A問題139題、B問題16題。うち必解問題81題。
網羅性が高く良問も多く、物理の問題集の中では一番オススメできる。物理のエッセンスからのステップアップや、物理のエッセンスを読みながら解き進めるのにちょうどいい難易度。ただし解説がそれほど丁寧ではないので、独力で解決できるか、信頼して質問できる先生がいる人でないとやや使いづらい。
マーチレベルの人はA問題だけとか、時間が無い人は必解問題だけとかいろいろな使い方ができる。旧帝大以上を受験するなら基本的には全部解くべきだろう。旧帝大レベルならこれ一冊を徹底的にやって過去問演習、東大レベルならこれを一周やってから過去問演習でも良いが、できれば過去問演習までにもう一冊問題集をやるとスムーズ。
名問の森
名問の森物理 力学・熱・波動1 名問の森物理 波動2・電磁気・原子
問題数はそれぞれ64題と72題。
レベル的には重要問題集と同じなので、どちらか一方だけでいい。こちらの方が解説が詳しいので、独学で頼れる先生がいない人は、重要問題集を買う前に名問の森も書店でチラ見すべきだろう。問題集にはどうしても相性があるので、気に入った方を選ぶといい。
「物理のエッセンス」→「名問の森」の流れでは名問の森が難しいと感じる人もいるようだが、難関大受験生はまずはこの流れを試してみるのが良い。もともと筆者の方はそういう位置付けでこの二冊を書いているので、少々難しく感じても解答を読みこんだりしてこなしていくのが効率的だと思われる。
※漢字は「名門の森」ではないので要注意
入試の核心
Z会が作成しているシリーズ。
名問の森と同じくらいの難易度なので、名問の森が合わない人はこれを使うと良い。
難問題の系統とその解き方
難問題の系統とその解き方 (略称:難系「なんけい」)
問題数は例題118題、演習問題177題。
東大レベルの受験生向けにオススメ、と言いたいところだが、なんとも言えない。考え方の基礎となる良問や骨のある問題が多く、正統な良い問題集ではあるのだけど、装丁も含めてやや古臭い。東大でも(理3でも)例題だけやってから過去問に移れば十分。
解答が真横にあって使いづらいのでぼくは全ページコピーして使っていたが、その手間がなんとももったいない。誰にでもオススメできる問題集ではないので、「みんなやってるから難系をやらないと不安…!」という理由だけで手を出すのはオススメしない。特に今は次に紹介する標準問題精講もあるので、書店で見比べてどちらをやるか決めていただきたい。
標準問題精講
物理 標準問題精講 (略称:標問「ひょうもん」)
問題数は90題。
難問題の系統(難系)と難易度的に被っているので、どちらかを選んで徹底的にやり切るのがいい。難問題の系統と比べても遜色がないどころか難しめの問題が並んでいるようなレベルなので、「標準」の言葉には騙されないようにしよう。
新・物理入門
Amazonでは非常に評価が高い、微分による解法を提示する参考書と問題集。しかし東大物理で満点を取るにしても、微分による解法は不要。新たなことを学ぶ労力は大きいので、大学受験のためという観点では不要だろう。趣味で勉強する分にはかまわない。
25ヵ年


必須。東大には東大の、繰り返し繰り返し出題されている題材や考え方がある。これは本当に驚くべきことなのだが、2~3年周期で同内容の出題が何度も何度も繰り返されているのだ。東大の入試問題を作っているのは東大の教授なのだが、やはり教授にとってみても、東大の作風を守るという意味でも過去問を分析して似たような切り口で出題するのが安心なのだろう。
難問題の系統やそのレベルの問題集を何周まわしても東大の過去問で満点はなかなかとれるようにならない。東大の過去問を10年分くらい解くと東大だけが繰り返し扱う題材や思考法がわかってくるので、その段階で初めて満点近くが狙えるようになる。京大入試に向けた勉強はしたことがないので分からないが、おそらく同じような理由で京大受験でも過去問研究は必須なはず。
なるべくたくさん入試問題を解きたい人は、「25ヵ年」は少し昔のものを買って、最近の過去問は全科目セットの過去問で入手するなどの工夫をするとより多くの過去問が確保できる。
「25ヵ年」は年度順ではなく分野別に問題がまとまっている点が評価に迷うところ。ぼくは常に自分の実力を測りたかったので、切り離して年度別に並べ替えて化学とセットにして本番さながらに時間を計って解いていた。(注:裏表で別の年度の問題が印刷されていたりするので、切り離して年度ごとに解くのは結構管理が大変)
「これ」と決めた問題集を3周解き終わってから取り組みたい。時期としては、遅くともセンター試験の過去問であれば夏休み~秋頃開始。二次試験の過去問は冬休み前頃には開始する。ちなみにぼくが過去問を解き始めたのは2月に入ってからだったが、これは英数の過去問を最後まで解かなかったため。普通に全教科の過去問を解く場合は2月からでは解ききれないのでオススメしない。
それまでの間は、問題集で志望校の過去問を見かけた場合はなるべく避けるようにしたい。過去問演習をしながら常に自分の実力を測れる状態にしておくほうが自分の立ち位置が分かりやすいし、モチベーションアップにも繋がるので。
過去問は解くだけで疲れてしまって、復習が疎かになってしまうという人も多いがそれは非常にもったいない。そうなってしまう一つの原因は、1年分の過去問を全教科まとめて解いてしまうことだ。たまにはそういうことをしてもいいが、基本的にはこれをするとエネルギーを使い果たして復習が疎かになってしまう。普段の過去問演習では復習の方が大事なので、復習のエネルギ-を残しておくためにも過去問は一教科だけで解いて、その都度復習するようにしたい。
150分のテストなら復習に1時間以上かかってしまうかもしれないが、新しい問題を次々に解くよりも確実に濃密な学びができる。ここをサボるのは一番やってはいけないことだ。
以下では、最短で高得点を狙う効率的な参考書・問題集~過去問の流れを紹介する。これは最低限の流れなので、実際にはプラス1~2冊気になる部分を補強する形で他の問題集も使うのが普通だろう。
センター試験レベルならエッセンスもそこまで必須というわけではない。センター対策の過去問や問題集は充実してるので、そういうのをガリガリやって、分からない部分を信頼できる参考書で解決するスタイル。あまり普通の問題集をやる必要はない。
エッセンスを夏休み前に読み終わって、夏休み中には問題集を1周解ききるのが理想。良問の風で物足りない部分は重要問題集か名問の森で補う方針で。
夏休み中には重要問題集を1~2周やる。好みや学習環境によって名問の森の方がいい場合もある。
重要問題集はさっさと終わらせ、難問題の系統もさらっとこなす。難問題の系統は夏休み明けくらいに1周できていればペース的には完璧。その後東大・京大受験生は25ヵ年を徹底的にやり込む。
物理はとっかかりが難しく、ある時期に一気に集中してやってしまわないといつまで経っても分からないままというパターンがよくある教科。どこかのタイミングで腹を括って本気で向き合ったときに初めて伸びるし、伸びるときは短期間で伸びるというイメージ。
理科はやった分だけ絶対に伸びる教科でコスパは極めて高いので、早いうちに腹を括って主体的に取り組もう。
化学の勉強法・参考書のまとめもあわせてご参照ください。
この話は本来なら初めに持ってきたいくらい重要な話なのだが、あまりに抽象的で、最初に書いても読んでいただけないと思ったので最後に持ってきた。
「物理は暗記科目ではない」とよく言われる。暗記科目でなければ何なのだろう。応用、計算、そういった言葉が受験物理の世界ではよく聞かれる。それもある意味で正しいだろう。ぼくの考えでは、物理は「世界の単純化モデルを脳内に組み立てる」科目だ。
どういうことか。かつてガリレオ・ガリレイは「物体が自由落下する速度はその物体の質量に依存しない」ということを発見した。このことを証明するために、ガリレオはピサの斜塔から大小2つの鉛球を落とし、同時に着地する様子を示してみせたとされる。しかし実際のところ、これは2つとも鉛球だからほぼ同時に着地するのであって、たとえば片方が鳥の羽根なら鉛球の方が速く落ちるに決まっている。ガリレオの理論は、空気抵抗を無視するという前提に立って初めて成り立つのだ。
これを聞いて「ガリレオだめじゃん」と思う人は、物理の考え方がなっていないと言えるだろう。むしろ、こういうふうに世界を単純化して観察できるのがすごいことだし、物理の正統な考え方なのだ。ガリレオのすごさとは、摩擦力のない理論上の単純な世界を脳内に組み立て、その世界の中の計算上では、物体の落下速度は質量に影響されないはずだと考えたことだ。
物理という学問はこのように、そのままでは複雑すぎる現実世界の中から何かを切り捨てて世界を単純化することで、その単純な世界で成り立つ法則を順々に発見していくことで、複雑な現実世界を段階的に解き明かして発展してきたのだ。
大学受験物理はガリレオ~ニュートンの古典物理を習うので、「摩擦を無視」することはとても多い。そのこともあって、特に初学者の内は現実世界からの類推ではうまく題意の現象が想像できないことがよくある。だから、摩擦を無視した理論上の世界でどういったことが起こるのかを、きちんと力学の第○法則といった理論上の法則を元に脳内に組み立てて導けるようになる必要がある。「現実世界ではこうするとこうなるから~」という考え方は早々に諦めた方が良い。理論上の法則を元に、厳密に理論上の世界を積み上げていくのだ。
大げさだと思うかもしれないが、「物理が上達すること」=「世界の単純化モデルを脳内に組み立てられるようになること」だ。そしてそれは、習ってきた物理法則をしっかりとマスターし、目の前の問題で描かれている世界で働いている力学・電磁気学上の関係を漏らさず把握して積み上げることによってのみ可能となる。
力学の問題を解くにあたっては、「重力は?」「垂直抗力は?」「弾性力は?」「摩擦力は?」「浮力は?」「エネルギー保存は?」「運動量保存は?」と自分に問いかけて、目の前の世界で働いている力学関係を漏らさずに淡々と積み上げる作業が必要となる。そして力学の学習とは、この作業のスピードと正確性を高めるということだ。初めは一つ一つ確認するのに時間がかかると思うかも知れないが、この作業に慣れてくれば一瞬で目の前に題意の力学関係が浮かび上がるようになってくる。電磁気学や熱力学についても基本は同じで、習った法則を淡々と積み上げていくことで自然と問題は解けているというのが理想の状態だ。
物理の学習には、「淡々と」という言葉が似合う。学習した物理法則を、悩まず迷わず「淡々と」積み上げられるようになったとき、もう物理のテストで点を落とすことはなくなっているだろう。