コロナであまりに喉が痛くて固形物が食べられず、私はクノールのカップスープをたくさん買い込んだ。
「コーンポタージュ」「栗かぼちゃのポタージュ」「じゃがいものポタージュ」「えだ豆のポタージュ」の4種類を。1箱3袋入りで、各2箱購入したので、合計24回ポタージュが飲める計算だ。
牛乳で飲むのなら、栄養補給にもちょうどいいだろうと。何年かぶりに牛乳も買った。
乳糖不耐症
そして帰宅して気付いた。
そうだ、私は、乳糖不耐症だった。
といっても、小学生のころはふつうに給食で飲んでいたし、乳糖不耐症とはいっても、ビオフェルミンでも飲んでおけばちょっとお腹がゴロゴロするくらいだろう、
そうした甘い見込みで牛乳にコーンポタージュを溶かして飲んだ。
メーカーの想定通りに正しく牛乳で作られたポタージュは、それはそれはおいしかった。しかし、飲み終わるころにはすでにお腹はゴロゴロ鳴っていて、その日の夜は激しい下痢に悩まされた。
ただでさえコロナで辛いというのに。
3日後、コロナが落ち着いてきて、私は大量に家に残ったカップスープの素をどう処理するか悩んだ。私は一人暮らしなので、自分で処理するか、もらってくれる友達を見つけなければ、捨てるしかない。しかし、コロナだった人が買った食糧を、コロナが治ったからといってもらいたい人がいるだろうか?もらったとしても、気味が悪くて飲めないだろう。
そう思って、私は何とかこれらを自分で処理する方法を考え始めた。
まずはいつも通りネットで検索してみた。「牛乳でつくるカップスープ 水で作る」などと検索すると、「コクが出ないのでおいしくない」という意見がいくつか見つかった。
牛乳の分量を減らす
それで私は仕方なく、性懲りもせず、牛乳130mlで作らなければいけないところ、牛乳70ml、水60mlでコーンポタージュを作って飲んでみた。牛乳が少なければ下痢も大したことにはならないだろう、と。
いやはや、牛乳が半分でも全然おいしいではないか。
しかしその夜、私はまた下痢をした。
カップスープのために何度も下痢をするのはごめんだ。
私はすぐに残りの牛乳を捨てた。
アーモンドミルクで作る
しかし、なんとしても大量のカップスープは何らかの形で使い切りたい。翌朝、私はアーモンドミルクを買った。見れば、カップスープの箱には、「豆乳でもおいしく召し上がれます」と書いているではないか。
植物性の豆乳でおいしいのなら、アーモンドミルクでだってきっとおいしく作れるだろう。
早速私は2種類作って飲んでみた。
「えだ豆のポタージュ」と「栗かぼちゃのスープ」を、ともにアーモンドミルク130mlで作ったのだ。その結果はといえば、酷いものだった。
端的に言って、おいしくないのだ。アーモンドミルクはなんというか、コクとかそういうのが全然ない。コクの正体って、タンパク質なのだろうか?アーモンドミルクには、確かに牛乳や豆乳と比べたらほとんどタンパク質が入っていない。
アーモンドの香りが、ポタージュとは別に鼻に抜けていく。ポタージュはポタージュでうまい。アーモンドミルクはアーモンドミルクでうまい。一緒にしちゃいかん。
そんな単純なことを思った。
水で作る
それからまた3日もの間、私は手詰まりだった。
残ったカップスープはどう処理すればいいのだろう?
捨てるくらいならと、私は水で作るのを試してみることにした。
コクがなくておいしくない、それは容易に想像はできる、しかし試さずに捨ててしまうよりはましだろう。それくらいの気持ちだった。
・・・!?
う、うまい!
全然うまいやんけ!!!
もちろん、牛乳で作ったときとどちらがうまいかと言われれば、牛乳で作ったときの方がうまい。
しかし、水で作ってもこの出来は十分、「おいしい」といえるレベルである。
コクがない…?まあ、言われてみれば…?というくらいだ。
評点を言うとすれば、
牛乳で作る 10点
水で作る 7点
アーモンドミルクで作る 2.5点
こんな感じだ。
個人の意見ですが、同じような苦境に立たされている方はぜひ、水で割ってみることをお勧めしたい。