今回の記事では、バドミントンの人気ブランド・ヨネックスのラケットをタイプ別・ランキング形式でご紹介していきます。
また、自分に合ったラケットを選ぶことが一番大事ですので、ラケットの紹介を始める前に、まずはラケット選びをするにあたって知っておきたい基本情報をさっとご説明します。
Contents
バドミントンラケットの選び方・基本知識
ラケットの重さ
まず見るべきポイントは、ラケットの重さです。
6U、5U、4U、3U、2U、U(1Uという表記は無い)とあり、Uの前の数字が大きいほど軽いラケットになります。
表示 | 6U | 5U | 4U | 3U | 2U | U |
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重さ | 70-75g | 75-80g | 80-85g | 85-90g | 90-95g | 95-100g |
初心者や年配者、女性の方には軽いラケット、若い男性の中でも力に自信のある方には重いラケットがオススメです。目安としては握力25kgまでは5U、35kgまでは4U、45kgまでは3U、55kgまでは2Uをお勧めします。
また、ラケットが軽いと軽快なラケットさばきができるので、守備やコントロール重視。ラケットが重いとスマッシュの威力が増すので攻撃重視のプレーができます。
グリップのサイズ
ラケットの表示記号はふつう、重さと合わせてグリップ(握る部分)のサイズが記載されています。
5U6とか5UG6という書き方をしますが、この最後の数字(この場合は6)がグリップの太さを表します。
グリップの太さは、4、5、6が一般的によく作られています。数字が大きいほど細いです。4は太いラケット、5は標準、6は細いラケットというイメージです。
基本的には手の大きさに合わせて選べば良いです。また、細めのグリップは手の中で回しやすいのでフォアとバックの切り替えやレシーブがしやすく、太めのグリップは握りこみやすいのでスマッシュのパワーが増すと言われています。
最近は、5か6を購入してグリップテープで太さを調整する人が多いです。細めのグリップを選んでもグリップテープで太さを調整できるので、迷ったら細めのグリップを選んでおけば間違いないかと思います。
ラケットの重心バランス
ラケットには、ヘッド側が重い「トップヘビー」と、グリップ側が重い「トップライト」、その中間くらいの、重心が標準的な位置にある「イーブン」があります。
「トップヘビー」を「ヘッドヘビー」、「トップライト」を「ヘッドライト」と呼ぶこともありますが、意味は同じです。
それぞれ、次のような特徴があります。
トップヘビー
力が無いと扱いづらいですが、シャトルに力を伝えやすくなるので、筋力のある人が扱えばスマッシュの威力が増します。
トップライト
軽い感触で取り回しができ、レシーブに向きます。筋力に自信がない人であればトップライトの方が扱いやすいので、かえってシャープな振りでコントロールのきいた効果的なスマッシュが打てるようになることもあります。
イーブン
トップヘビーとトップライトの間ですので、標準的に何でもこなします。
シャフトの硬さ
ラケットのヘッドとグリップを結ぶ棒状の部分を「シャフト」と言います。
シャフトが柔らかいと、スイングしたときにシャフトがしなります。シャフトのしなりを使って、しなりの戻りでシャトルを運ぶことができるので、力の無い方がクリアを飛ばすのには柔らかいシャフトが向いています。
シャフトが硬いと、シャフトがしならないのでスイングの速さをそのままシャトルに伝えることができます。筋力に自信があり、スイングスピードが速い人は硬めのシャフトがオススメです。
値段
同じヨネックスでも、3000円程度から30000円程度まで、幅広い価格帯のラケットを販売しています。
あまりに安いラケットは重くて扱いづらく、肩や腕を傷める原因にもなってしまいます。とはいえ、ラケットは消耗品です。使っているとそのうちダブルスで味方選手のラケットとぶつかって壊したりしてしまうものなので、初心者のうちからあまりに高いラケットを使うのも考え物です。
目安としては、初心者であれば7000円~14000円程度。中級者であれば、20000円程度までを基準に考えれば良いのではないかと思います。また、練習用と試合・大会用は同じラケットを使うのがオススメです。
値段よりも、自分に合うラケット(重さ、トップライト/トップヘビー)を見つけることが肝心です。
おすすめラケット
以下ではYonexのおすすめのラケットを、レベル別・タイプ別で詳細に紹介していきます。レベルとしては、
初級者:バドミントン部に入りたての方。ブランク明けで再び始めようという方。クリアを端から端まで飛ばす自信が無い方。
中級者:2~3年目の方。クリアを端から端までしっかりと飛ばせる方。
をイメージしています。
中級者・ハードヒッター向け
ボルトリック i-フォース
重さ | 5U(軽い) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心バランス | トップヘビー |
シャフト | 柔らかめ |
得意ショット | スマッシュ |
ボルトリックi-フォースは軽くて扱いやすく、トップヘビーなのでスマッシュの勢いはあり、さらにシャフトが柔らかいのでクリアも飛ばしやすいという全方位対応のラケットです。どちらかというと攻めが得意で、シングルスや、ダブルスの後衛向きのラケットです。
デュオラ7
重さ | 2U、3U(重め・標準) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | イーブン |
シャフトの硬さ | ふつう/硬め |
得意ショット | フォアのクリア、バックのレシーブ |
デュオラ7はラケットは重めの2Uと標準の3Uがあります。また、重心のバランスはイーブンです。なので、どちらかというと力自慢の方用のオールラウンドのラケットです。また、シャフトがふつう~硬めなので、しっかりとクリアが飛ばせてスマッシュも打てる中級者以上向けのラケットです。シングルス向きといえます。
デュオラシリーズの特徴は、なんといってもフォア側とバック側でラケットの形状を変えるという革新的な試みです。その結果、バックは空気抵抗を受けにくく、加速が速いのでナノレイシリーズのように弾くような素早い返しができる。フォアは空気抵抗を受けながらシャトルをくわえるようにアークセイバーシリーズのように重いショットが打てる、というふうに工夫の入ったラケットです。大人気選手のマレーシアのリー・チョン・ウェイ選手がデュオラ10を使っているので信頼はできそうです。またYoutubeなどで彼のプレイ動画を見ることで、デュオラシリーズのうまい使い方が研究できます。日本のプロ選手の数名からもこのデュオラシリーズは高評価を得ているとのことです。
実際に使ってみても、やはりフォア側とバック側のスイング・打感は違います。ラケットをクルクル回せないので慣れは必要ですが、クリアはよく飛びますし、ドロップは鋭く落ちます。レシーブについても、最高ではないですが十分に素早い返しがききます。ダブルスのボー&モーゲンセン選手ペアも、アークセイバー11からデュオラ10に変えています。デュオラシリーズとこのシリーズに使われているテクノロジーは今後さらに人気になっていくのではないかと思います。
カーボネックス20
重さ | 2U・3U(重め・標準) |
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グリップの太さ | 4・5 |
重心のバランス | イーブン |
シャフトの硬さ | ふつう |
得意ショット | オールラウンド |
カーボネックスシリーズは独特の打感があるので、好きな人は好きなラケットです。重さが2Uまたは3Uとやや重め、重心のバランスはイーブンなので、男子の中でもある程度は力のある方でないと扱いづらいと思います。
どのショットが得意というよりは、打感が気に入る人が使うといいラケットです。何でもオールマイティにこなせます。
中級者・コントロールプレーヤー向け
デュオラ6
重さ | 4U(軽め) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | 記載なし |
シャフトの硬さ | 柔らかい/柔らかめ |
得意ショット | フォアのクリア、バックのレシーブ |
デュオラ6はデュオラ7と比べて軽めの仕様で、女性向けとされているラケットです。実際、シャフトも柔らかくクリアを飛ばしやすいので女性が使いやすいラケットだと思います。
デュオラ7のところにも書きましたが、デュオラシリーズはフォア側とバック側でラケットの形状が違うので、フォアは球持ちよくくわえて運び、バックは鋭く弾くという使い方ができます。
慣れてしまえばシングルス・ダブルスどちらにも使いやすいラケットだと思います。
アストロクス66
重さ | 4U(軽め) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | トップヘビー寄り |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
得意ショット | レシーブ・ロブ |
アストロクス66はシャフトが柔らかくよくしなるので、ロブが楽に遠くまで飛ばせるラケットです。また、ラケットも4Uと軽めなので、女性やあまり力に自信のない男性にお勧めします。
どちらかというとシングルスで使いやすいラケットだと思います。
ナノレイグランツ
重さ | 4U(軽め) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | トップライト寄り |
シャフトの硬さ | 超柔らかい |
得意ショット | 全ショット |
3万円の超高級ラケットですが、シャフトがよくしなるのでどちらかというと上級者というよりは中級者向けのラケットです。
軽い力でもシャトルが遠くに飛ばせるので、ハイバックの飛距離を伸ばしたい方や、女性やシニアでクリアを楽に飛ばしたい方にはおすすめできるラケットです。
ナノレイ450ライト
重さ | 4U(軽め) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | トップライト |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
得意ショット | クリア |
軽めの4U、トップライトなので軽い感じで扱いやすく、シャフトが柔らかいのでクリアが飛ばしやすいです。あまり力に自信のない方には非常にお勧めできるラケットです。
軽く振れるのでダブルス向きのラケットですが、力に自信のない方はシングルスでも使ってみたいラケットです。今までトップヘビーのラケットばかり使っていた方は、これに変えてみるとレシーブが安定するかもしれません。
アークセイバー2i
重さ | 3U(標準) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | イーブン |
シャフトの硬さ | 柔らかめ |
得意ショット | オールラウンド |
コントロール重視の方にはアークセイバーシリーズがお勧めです。3Uでイーブンなので重さ的には標準。シャフトが柔らかいのでクリアを遠くまで飛ばしやすいです。
価格も比較的安いので、中級の方がシングルス用に使うのにお勧めのラケットです。
初級者・ハードヒッター向け
ボルトリック30
重さ | 5U(軽い) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | トップヘビー |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
得意ショット | クリア |
5Uの軽いラケットなので、バドミントンを始めたての方や力に自信のない方にお勧めです。シャフトが柔らかくクリアが飛ばしやすいのもおすすめポイントです。
ボルトリックシリーズはパワーと操作性・スピードの両立を目指したラケットですので、シングルス・ダブルスの両方に使いやすいラケットだと思います。
ナノレイ250
重さ | 4U(軽め) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | トップライト |
シャフトの硬さ | 柔らかい |
得意ショット | クリア |
4Uでトップライトなので軽く扱いやすく、機敏な動きのできるラケットです。またシャフトが柔らかくクリアを遠くに飛ばしやすいので、力に自信の無い方でも扱いやすいラケットです。
シングルス・ダブルスのどちらにも対応できるラケットです。
初級者・コントロールプレーヤー向け
ナノレイ180・ナノレイ180R
重さ | 3U(標準) |
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グリップの太さ | 5・6 |
重心のバランス | 超トップライト |
シャフトの硬さ | 超柔らかい |
得意ショット | クリア |
値段が安めで購入しやすいです。トップライトのため軽い感じで扱いやすく、 またシャフトが柔らかくでクリアも飛ばしやすいので、初級者の方に特にお勧めしたいラケットです。
ナノレイ180Rは、基本的にはナノレイ180と同じなのですが、ラケットの長さが10mm短いです。ナノレイ180は674mmでナノレイ180Rは664mmなのですが、バドミントンラケットは規定で680mm以内と決まっているので、どちらも問題ありません。
長いラケットはよりクリアを遠くに飛ばしやすいですが、短いラケットは操作性が向上します。さほど違いはないですし、長さの違うラケットを持っても1~2球打てばすぐに慣れるので、好みで決めてしまってかまわないです。
ナノレイ110
重さ | 3U(標準) |
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グリップの太さ | 5 |
重心のバランス | トップライト |
シャフトの硬さ | ふつう |
得意ショット | コントロールショット |
安めのラケットですが、3Uの十分に軽いラケットで、かつトップライトで扱いやすいので一本目のラケットにお勧めです。バランス的には標準的なラケットなのでオールラウンドに使いやすいラケットです。
値段的に友達に貸したりもしやすいので、1本持っておくと便利なラケットです。
ヨネックスのラケット一覧図
ヨネックスは下図のようなラケットの一覧図を作っています。(クリックでヨネックスのウェブサイトの元画像を拡大表示)
気に入ったラケットを1本見つけたら、この図の中で近くにあるラケットからいくつか選んでみる。または、今使っているラケットがしっくり来ないなら、この図の中で遠くにあるラケットを人に借りてみて試してみる。
そういうふうにラケットを探していくと、自分に合うラケットが見つけやすいのではないでしょうか。