ジョコビッチは、史上最高のテニス選手なのだろうか?少なくとも、そうした議論の対象となるにふさわしい選手であることは間違いない。
今回の記事では、ジョコビッチが達成しつつあるテニス界の大記録を紹介していく。これら全てを達成したとき、ジョコビッチは否定のしようのない史上最高の選手になるのだろう。
Contents
継続中の記録
四大大会優勝回数
※四大大会とは、全豪、全仏、全英、全米オープンのこと。それぞれ年1回開催される。テニスのプロの大会の中でもっともレベルが高く、名誉ある4大会。
歴代最多優勝記録…ロジャー・フェデラーの20回
ジョコビッチは2018年9月13日現在、14回
ジョコビッチは、2016年5月~6月開催の全仏オープンで優勝して以来、四大大会での優勝から遠ざかってしまっていたが、2018年後半のウィンブルドン・全米を2連覇し、再び勢いを取り戻しつつある。
世界ランク1位在位期間
歴代最長記録…ロジャー・フェデラーの302週。
ジョコビッチは2018年4月6日現在、223週。
2016年全仏まで、最強の選手だったジョコビッチは、全仏の優勝を機にやや失速してしまっている。2016年11月、BNPパリバオープンに敗れて遂に王座陥落。ジョコビッチはアンディ・マレーに世界ランク1位の座を譲り、それ以来1位に戻れていない。
ちなみに、ジョコビッチの世界ランク1位在位期間223週は歴代5位で、彼の上には、2位サンプラス286週、3位レンドル270週、4位コナーズ268週がいる。
挑戦中の記録
年間グランドスラム
※年間グランドスラムとは…同一年の四大大会を全て制覇すること。1938年のドン・バッジ、1962年のロッド・レーバーはオープン化以前なので参考記録。
歴代達成者…1938年ドン・バッジ、1962年&1969年ロッド・レーバーのみ
ジョコビッチは、2011年と2015年に全豪・全英・全米の3大会での優勝を果たしている。
年間ゴールデンスラム
※年間ゴールデンスラムとは…年内に四大大会+オリンピックの全てで優勝すること。単に「ゴールデンスラム」とも。
歴代達成者…なし(女子ではシュテフィ・グラフが1988年に達成)
ジョコビッチにとっては、オリンピックイヤーである2016年が達成のチャンスであったが、全英で3回戦敗退・リオ五輪で1回戦敗退のため、年間ゴールデンスラム達成ならず。2020年はさすがに年齢的に厳しいと思われるため、ジョコビッチの年間ゴールデンスラム達成は難しいか。
キャリアゴールデンスラム
歴代達成者…アンドレ・アガシ、ラファエル・ナダル
ジョコビッチが達成するには、あとオリンピックでの優勝のみが必要。2020年東京五輪に優勝しての達成が期待される。
※キャリアゴールデンスラムとは、生涯のうちに四大大会とオリンピックの全てで優勝すること。
四大大会連続優勝記録
歴代最多連続記録…1938年ドン・バッジ、1962年&1969年ロッド・レーバー、そして2016年ジョコビッチの4回。
ジョコビッチは単独最多となる5連続優勝が期待されていたが、2016年7月3日全英敗退のため単独最多の達成ならず。今後の記録更新が期待される。
※1938年ドン・バッジ、1962年ロッド・レーバーはオープン化以前なので参考記録。
すでに達成した記録
生涯グランドスラム
※生涯グランドスラムとは…四大大会(全豪・全仏・全英・全米)全てで、生涯のうちに1回以上優勝すること。「キャリア・グランドスラム」ともいう。
2016年6月5日達成!
歴代達成者…ジョコビッチのほかに、ロジャー・フェデラーやラファエル・ナダルを含む8名。
四大大会4連続優勝
2016年6月5日達成!
歴代達成者…1938年ドン・バッジ、1962年&1969年ロッド・レーバー(ただし、年間グランドスラムでもある)
※1938年のドン・バッジ、1962年のロッド・レーバーはオープン化以前なので参考記録。年間グランドスラムに似ているが、年内ではなく2年に跨って4連勝した場合のことを指す。ノン・カレンダー・イヤー・グランドスラムともいう。長いので、ジョコビッチは「ジョーカースラム」という呼び方を提案している。
ゴールデンマスターズ
※ゴールデンマスターズとは…4大大会に次ぐ非常にレベルの高い大会であるATPマスターズ1000の9大会全てを生涯のうちに制覇すること。史上最高のオールラウンドプレイヤーと名高いフェデラーでさえ成し遂げられていない偉業。
歴代達成者…ジョコビッチのみ
ジョコビッチは2018年にシンシナティ・マスターズを初めて制覇し、長年待たれていたゴールデン・マスターズをついに達成した。
マスターズ1000優勝回数記録
選手名 | 回数 | |
---|---|---|
1 | ナダル | 33 |
2 | ジョコビッチ | 30 |
3 | フェデラー | 27 |
歴代1位~3位を現役の選手が占めている。ジョコビッチはしばらくの間、このランキングで1位に君臨していたが、ナダルの怪我からの復活により2018年9月現在は2位に甘んじている。
以上が、ジョコビッチを史上最高の選手たらしめる(かもしれない)主な記録だ。いまは、フェデラー、ナダル、ジョコビッチという3人もの史上最高候補のテニス選手が揃って現役というおそろしい時代であるし、その時期に世界ランク4位まで上り詰めた錦織は本当に偉大な選手なのである。