PFP最強?井上尚弥の強さの理由と、過去の戦績を振り返る。

2018年10月現在、プロ17戦17勝15KOとほぼ完ぺきの戦績を収めている井上尚弥。2018年10月7日のバンタム級最強王者を決めるトーナメントWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)の初戦で、フアン・カルロス・パヤノに対して1R1分での圧倒的なKO勝利をおさめた。次戦は2019年春、海外でエマヌエル・ロドリゲスとWBSS準決勝(かつ世界バンタム級王座統一戦)を戦うことが予定されている。

しかし、こうした実績もさることながら、本当の意味で井上尚弥を井上尚弥たらしめ、その評価を確固たるものとしているのは、その実力であり、試合内容である。また、強気なのに謙虚であるというその人間性、そして「強い相手としか戦わない」という潔い宣言である。

今回の記事では、ボクシングの神に愛された、日本史上最高の才能と名高い(イケメン)ボクサー井上尚弥の強さと実績を振り返る。

 

強さの理由

パンチ力

ガード無視の破壊力

やはり井上尚弥といえば、圧倒的なパンチ力。「ダウン経験が無い」「KO負けが無い」という選手たちをあっさりとマットに沈めてきた剛腕が一番の特徴といえる。スパーリングではフェザー級(井上のスーパーフライの3階級上)で世界ランク1位の選手を圧倒、また別のフェザー級選手の右腕を骨折させてしまったこともあるほど。

その圧倒的なパンチ力で、ガードの上からでも相手選手をばたばたとなぎ倒してきた。

ガードの上から倒した良い試合例は、8戦目のオマール・ナルバエス戦1R開始30秒でダウンを奪った右ストレートと、9戦目のワルリト・パレナス戦2Rの左右のフックの連打。

ボディでKO

特に右拳を傷めてからの井上尚弥は、左ボディでの悶絶KOが多い。

ボディでのダウンやKOの良い例は、8戦目オマール・ナルバエス戦2RのKOパンチと、14戦目ニエベス戦5Rにダウンを奪った左ボディ、そして15戦目ボワイヨ戦3Rの左ボディ連打。

井上尚弥は右はもちろん、左のパンチが規格外に強い(腕相撲では右手より左手の方が強いらしい)。それゆえ左ジャブ、左フック、左ボディの威力が半端ではない。相手選手に「左ジャブが右ストレートのようだった」と言われたこともある。ここにガードの上からでも倒せてしまう右ストレートがあるので、相手としては厄介極まりない。

スピード

パンチのスピードが桁違いで、ナルバエスやパレナスといった選手が、「パンチが速すぎて見えなかった」というコメントを試合後に残している。

パンチの精度

ボディでKOを量産しているのは、パンチ力が強いのももちろんのこと、的確に効く場所に打ち込んでいるから。上記ボディでのダウン・KOシーン(ナルバエス戦、ニエベス戦、ボワイヨ戦)を見比べてみると、全て全く同じ場所に左ボディを打ち込んでいることが分かる。

またカウンターも上手く、12戦目の河野公平戦の6RのKO前にダウンを奪った左フック、15戦目のボワイヨ戦1Rにダウンを奪った左フックなどは圧巻。他にも、井上のパンチが速すぎてカウンターに見えないが、相手の動き出しに合わせて出すパンチをよく当てている。

ヒット率

井上尚弥はジャブを当てるのが非常にうまく、1ラウンドに平均9発のジャブを当てている。これは全ボクサー中で2番目の数字(1位はゴロフキンの10.4発)である。また、ボクシングの情報収集サイトCompuBoxの集計対象全ボクサーの平均4.7発の約2倍の数字である。

手数

井上尚弥は1ラウンド平均36発のジャブを放っており、これは全ボクサー中で1位の数字である。

ディフェンス

井上選手はガチでパンチを一発ももらわない。フットワークと上体の使い方が非常にうまい。また、パンチを打ってすぐに下がるという基本が体に染みついているので、とにかくパンチが顔に当たるのを見たことが無い。

試合終了後の腫れあがった相手の顔と、綺麗な井上選手の顔を見比べるだけでも、そのディフェンス技術の高さが窺える。

被弾率

井上尚弥のパンチ被弾率は全ボクサー中9位の21.2%。これはワシル・ロマチェンコ(同1位)の16.5%やギジェルモ・リゴンドー(同2位)の17.1%には劣るが、集計対象ボクサー平均の30.3%より遥かに良い数字だ。

距離感

距離感を掴むのが早く、これが攻防両面で活きている。

たとえば、バンタム級転向初戦でWBA王者獲得に成功したマクドネル戦では、1R30秒で相手の左ジャブの角度・スピード・距離を見切り、対応できると判断して一気にラッシュをかけて1R112秒でTKO勝ちしてしまった。

また、田中恒成選手とのインタビュー記事で、本人が距離感について語ったのが以下。このインタビュー記事は全体的に内容が素晴らしいので、ぜひ読んでみてほしい。

恒成 「1分半で距離をつかむ」ってどこかで読んだことがあるんですけど。距離感をつかんだとかわかったってことがあるんですか? オレもう、距離感のことが一切わからなくて……。
尚弥 あるよ。ジャブが当たった瞬間わかる。
恒成 ちょっと曲がっとったら、そこを修正するとか。
尚弥 いや、もう最初の1発でしっかり伸ばしきったジャブを当てるのね。初見の相手だったら、まずここで(と両手で目の前の空間を囲う)相手にパンチを出させて、まず確認する動作から始めて。それが終わったら、自分のジャブを当てる。そのジャブが当たったら──
恒成 ここの空間で、これ以上入らずこれ以上離れず、くらいで。
尚弥 そうそう。あとは、ガーッとくっついて、相手のパンチ力を確認して。それがだいたい1ラウンドでわかるかなって。

人間性

プロとして長く活躍するためには一番大事な要素かもしれない。マイク・タイソンを筆頭に、数々の輝かしい才能が、人間性の僅かな不和により堕落していった。

井上尚弥はこの点でも申し分なく、強気で自信満々でありながら、素直で謙虚に自らの才能を磨き続けている。

プロデビュー前

井上尚弥はアマチュア時代にも高校生にして全日本選手権を制するなどの活躍をしていた。しかしそれよりも印象的なのは、19歳の井上尚弥が、大橋ジムの先輩で現役世界王者の八重樫東をスパーリングで圧倒してしまっていたという話。

プロ3戦目で日本ランク1位を圧倒!“怪物”井上尚弥は何が凄いのか? – ボクシング – Number Web – ナンバー

「井上とは昨年、井岡一翔選手と試合をする前に何度もスパーリングをしましたが、とにかく強い。やられてしまう場面が何度もありました」

プロデビュー前の19歳が世界チャンピオンをたじろがせてしまう。大橋秀行会長が「八重樫が井上とスパーリングするときは、井上じゃなくて八重樫に作戦を与える」と言ったときは冗談かと思ったが、八重樫の話を聞くと真実味を帯びる。

八重樫東とはジムが同じなので、デビュー後もたびたびスパーリングを行っているようだが、井上が圧倒したというニュースしか見ない。たとえばこちら。

アマ7冠井上、八重樫に“判定勝ち” – ボクシングニュース : nikkansports.com

大橋会長は「採点するなら八重樫が負けている。井上はデビュー戦が終わってからすごく伸びている」と、興奮を隠しきれない様子だ。

体がまだまだ成長する19歳の時点で既に現役世界チャンピオンと対等以上に渡り合っていたというのだからすさまじい。

ライトフライ級時代

減量苦

井上はライトフライ級でプロデビューしたが、この階級は適正とはいえず、減量に苦しみ続けた。プロデビュー時から異常なほどの注目を集めてはいたものの、3戦目・4戦目はともに10Rまでもつれるなど、期待される実力に見合った圧勝劇を披露できていなかった。

世界最速6戦目の世界王者奪取

それでも確実に勝利を積み重ね、2014年WBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデスに勝利。当時日本人男子最速の6戦目でWBC世界ライトフライ級王者となる。

6戦という圧倒的なスピードで世界王者となった井上だが、正直、ライトフライ級で戦っていた頃の井上は「なんか物足りないなあ」という印象だった。それくらい期待度が高かったということでもある。当時は井上尚弥がそれほどの圧倒劇を見せられない理由が減量苦だとはっきりとは分からなかったから、「こんなものか」と納得してしまっていた。しかし、スーパーフライ級転向後の井上は全くの別人となっていた。

スーパーフライ級時代

ライトフライ級で1度だけ世界タイトルを防衛した後、減量苦を理由に2階級一気に上げて、スーパーフライ級に参戦した。

8戦目(タイトルマッチ):オマール・ナルバエス戦

そのスーパーフライ級の初戦で名王者オマール・ナルバエスと戦うのだが、この試合で井上尚弥はとんでもない才能を世界に見せつけた。

戦前の予想はこんな感じ:

それがこうなる:

47戦でダウン経験が一度もない伝説の名王者を、たった2Rの間に4回ダウンさせたのだ。しかも、これというクリーンヒットは最後の左ボディブローだけ。それまでのダウンはすべてガードの上から、または頭をかすめるだけのパンチだった。この一戦により井上尚弥の評価は急上昇、世界のボクシングシーンにその名が知れ渡ることになった。

井上尚弥 – Wikipedia

フライ級世界王座を16連続防衛、WBO世界スーパーフライ級王座を11連続防衛中の現役世界最強と評価されていたナルバエスを一方的に打ちのめしてKO勝ちで2階級制覇を達成

マニー・パッキャオ、フロイド・メイウェザー・ジュニア、ゲンナジー・ゴロフキンといった世界の超スーパースター達を抑えて井上尚弥が、ボクシング・シーン・ドットコム、セコンド・アウト・ドットコム、ファイトニュース・ドットコムといった世界的な大手ボクシング専門ニュースサイトからも2014年の年間MVPに日本人史上初めて選出された。

Superfight in the lower weight classes entirely possible

トップチャンプオンのこれほどの崩壊は、トミー・ハーンズがロベルト・デュランを打ちのめして以来だ。ナルバエスは39歳だが、今までの唯一の負けは12R判定となったノニト・ドネア戦だけだ。井上はこの試合のために2階級上げてきた上に、これはまだ8試合目でしかない。

ただ、自らのあまりの強打に右手を傷めてしまい、井上尚弥はこの試合から丸1年のブランクをとった。残念ながら井上は、この試合あたりから右拳を傷めることが多くなってしまっている。

9戦目(WBO防衛1):ワルリト・パレナス戦

スーパーフライ級第2戦目の相手はワルリト・パレナス。この2戦目でも、同じようにガードの上から左右のフックで2R1分20秒であっさりと相手を打ちのめした。

丸腰の人間(パレナス)が恐竜(井上)に挑んでいるようで、見ていて怖いくらいだった。

速すぎて見えない上に、ガードしても倒されるパンチを持っている相手をどうやって攻略できるというのだろうか…。井上尚弥は確実に無敵の最強王者への道を突き進んでいる。

10戦目(WBO防衛2):ダビド・カルモナ戦

戦前の予想は井上の超有利。

井上尚弥の世界戦勝利オッズ「1・02倍」強すぎる世界王者にブックメーカー悲鳴

1.02倍という壊れたオッズにも注目が集まった。ちなみにカルモナ勝利の倍率は17倍だった。この試合の焦点はカルモナが何秒立っていられるか、何発パンチを耐えられるかというところにあった。

その結果は:

判定までもつれこんでしまった。ナルバエス戦で傷めた右手をまた傷め、実力は大きく下のダビド・カルモナを倒すことができなかった。しかし、井上尚弥の強さは見える試合だった。中盤からはほとんど左手しか使わずに戦ったが、内容的には制圧していた。それゆえ、距離の取り方や試合の組み立て方といった別の部分の強さがよく見えた。

パンチ力が強すぎて、自らのパンチ力で自らの拳を傷めるという唯一の課題がますます浮彫となる試合だった。

11戦目(WBO防衛3):ペッチバンボーン戦

スーパーフライ級4戦目。井上にとってははっきり格下で、「ペッチ」と呼ぶ相手。ここは通過点。全階級通じて世界最強の一人と目されるローマン・ゴンザレス戦が近いと見られる中、どれだけの圧勝劇を見せられるかに期待がかかった一戦。

その結果は、10RのKO勝利。KO勝利という最低限の目標は達成したが、10Rまでかかってしまった。

またもや拳と、今度は腰も傷めていつもの強打が出ない井上尚弥だった。強打は出ないながらも、ジャブとフットワークで内容的には制圧していたことは事実。ただ、これは観るものが井上尚弥に求めている試合内容ではない。

爆発的なパワーとスピードを持つアスリートはどうしても怪我が多くなってしまうもの。しかしこの試合以降、この課題を意識し始めたのか、練習や試合において、なるべく怪我をしないことを意識するようになってきたように見える。

12戦目(WBO防衛4):河野公平戦

スーパーフライ級5戦目は、井上尚弥が世界王者になってから初めての日本人ボクサーとのタイトルマッチ。河野公平も世界王者の経験のある選手だが、井上尚弥と戦うにあたっては「エリート vs. 雑草」とも言われた。

戦前の評価では、井上尚弥の勝利は当たり前。河野公平がボクサー人生の晩年に破壊されてしまうのではないかとの心配の声が多かった。

結果は、6Rに完璧な左フックのカウンターが入り、過去KO負けを喫したことがなかった河野公平がTKO負け。全く危なげのない試合だった。河野公平の逃げずに正面から打ち合う姿は日本男子らしくてかっこよかったが、正直あまりに実力に差があったため、ボクシングの試合としての面白さは微妙。ただただ河野選手の顔が赤く腫れて痛々しかった。

この試合の収穫は、何と言っても毎試合故障していた拳や腰の故障が無くなったこと。井上尚弥はこの試合から、唯一の弱点であった故障癖が無くなった。

ロマゴン判定負け

実は、この河野公平戦から少しして、井上尚弥にとっては衝撃的な大ニュースがボクシング界を駆け巡った。それは現役ボクサーのパウンド・フォー・パウンド(階級無視の最強選手ランキング)1位と名高かったローマン・ゴンザレスの判定負け。相手はシーサケット・ソー・ルンヴィサイ。シーサケットが当時それほど評価の高い選手ではなかったため、このニュースは余計に世間を驚かせた。

…本音を言えば、ロマゴンの階級アップによる戦力の衰えは、冷静なボクシングファンの目には明らかだった。ロマゴンに商品価値があるうちに早く井上と対戦してほしいと、井上ファンはみんな思っていただろう。それでも、ほとんど神聖化されかけていたビッグネームの初の敗戦は世界を驚かせた。

井上尚弥としては、最強王者ロマゴンを倒してその名を世界に轟かせることを目標にずっと頑張ってきていたので、目標の一つを失ってしまう形となった。

13戦目(WBO防衛5):リカルド・ロドリゲス戦

この試合については何も言うことなし。またもやほぼ左手1本だけで相手を制圧。3R開始1分、左フックによるKO勝利。リカルド・ロドリゲス選手が辛そうすぎて、ボクシングの試合というよりは中世の処刑か何かを見ているようだった。

壊しやすい右手をあまり使わないように意識しているように見えた。

14戦目(WBO防衛6):アントニオ・ニエベス戦

井上にとっては記念すべきアメリカデビュー戦。実力者の集まるスーパーフライ級にフォーカスしたSuperflyという興行で、ローマン・ゴンザレス vs. シーサケット・ソー・ルンヴィサイの再戦の前座として行われた。相手は過去ダウン経験が無いものの、それほど強い選手ではなく、井上選手にとってはアメリカのボクシングファンに顔見せするための試合だった。

結果は6R終了TKO勝利。井上選手としては、できるだけ派手にKOしてアメリカで少しでも名を上げたかった試合。それゆえ気持ちが先行しすぎて大振りが多く、6Rまでかかってしまった。しかし、5Rには左ボディでニエベスにとってプロ人生初のダウンを奪ったり、逃げ惑うニエベスに「かかってこい」と挑発するなど、一応の見せ場は作った形となった。

15戦目(WBO防衛7):ヨアン・ボワイヨ戦

中世の処刑2。フランス人のお小遣い稼ぎと、井上尚弥の空き期間の調整がたまたまマッチングしただけのような試合だった。1Rの完璧なカウンターの右フックと、3Rの左ボディによるKOは美しかった。ちなみにこの試合では、強烈なボディを喰らったボワイヨの「うっ」といううめき声がテレビ越しに聞こえてきた。

1つ前のニエベス戦と、このボワイヨ戦で井上尚弥が見せた完璧な左ボディ。井上選手はこれを大きな武器として、今後もボディブローでのKOを量産していくと思われる。

バンタム級時代

16戦目(WBA世界挑戦):ジェイミー・マクドネル戦

井上尚弥にとってのバンタム級初戦であり、世界3階級制覇挑戦となる試合。久々になかなかの強者と対戦することになったので、世界的にも注目度は高く、全米でも生中継された。昔から、「スパーリングではもっと強い」と言われ続けてきた井上選手であるが、バンタム級でついにその力を解放するかどうかという試合。

結果、見事1R112秒でレフェリーストップによるTKO!圧巻の勝利となった。開始30秒でマクドネル選手の左ジャブの角度・スピードを見切り、怖くないと判断して1Rから倒しにかかった。するとすぐに左フックを相手のおでこにカツンとあててぐらつかせ、追撃の左ボディでマクドネルが一度目のダウン。そこからは相手の反撃を気にしない台風のようなラッシュでレフェリーストップに追いやった。

また、故障がちだったのでスーパーフライ級では控えていたと思われた右拳の封印を解き、遠慮なく使っていたので、久々にその実力が存分に発揮された試合となった。

身長差が10センチ以上もあるという点も注目ポイントとされたが、長身選手への対応は問題無かった。マクドネル選手はイギリスの選手なので、近年ボクシング熱が高まっているイギリスのボクシングファンに井上選手を紹介するという意味でも、最高の結果となった。

17戦目(WBSSバンタム級初戦):フアン・カルロス・パヤノ戦

世界中のボクシングファンが注目するWBSSの初戦で、井上尚弥選手は元WBAバンタム級スーパー王者のパヤノ選手と対戦。

わずか1R1分であっさりとKO勝利をおさめてしまった。井上尚弥選手が出したパンチはアッパー1発と、KOを生んだ左右のワンツーで計3発のみ。たった1発のパワーショットで老練のパヤノ選手を沈めてしまった。

 

井上尚弥の将来

WBSSの出場者として

井上尚弥は、2018年10月7日に開幕したWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)のバンタム級最強選手を決めるトーナメントに出場し、初戦でフアン・カルロス・パヤノ選手に勝利している。

WBSSの参加選手は、各団体の王者であるWBAスーパー王者ライアン・バーネット、WBA王者井上尚弥、WBO王者ゾラニ・テテ、IBF王者エマヌエル・ロドリゲスの4人にくわえ、ジェイソン・モロニー、ミーシャ・アロイヤン、ノニト・ドネア、フアン・カルロス・パヤノの4選手の合計8人である。

井上尚弥選手は、次戦は2019年春、海外でエマヌエル・ロドリゲスとWBSS準決勝を戦うことが予定されている。ロドリゲス選手の評価は高く、この試合が事実上の決勝戦であるとされている。

さらに勝てば決勝でバーネット―ドネア戦の勝者対テテの試合の勝ち上がり選手と試合をすることになる。

希望を言えば、準決勝でロドリゲス選手、決勝でドネア選手と戦う流れであれば盛り上がるだろう。しかし、実際にはドネア選手の勝ち上がりは有望視されておらず、決勝はバーネット選手またはテテ選手と戦うことになる可能性が高い。

井上尚弥選手はこのトーナメントを制覇することができれば、3団体統一王者となる。さらに、弟の井上拓真選手が残りのWBCバンタム級王座への挑戦権を持っており、井上拓真選手がWBC王座を獲得すれば、バンタム級全4団体を兄弟で独占することになる。

バンタム級王者として

井上選手はバンタム級で防衛記録を作りたいと話している。父の真吾氏も「バンタム級は尚弥の適正階級」と昔から語っている。バンタム級でWBSSを制覇できれば、その先しばらくは、バンタム級に居座って長期政権を築くのではないだろうか。

先日山中慎介選手のボクサー人生の晩年を汚して大顰蹙を買ったルイス・ネリ選手もバンタム級にはいるが、日本ボクシング界から追放されたネリ選手との試合が実現するかどうかは微妙なところである。もし対戦した暁にはぜひともKO勝利をしてほしい。

PFP最強王者として

現在、PFP(パウンド・フォー・パウンド)で最強と目されているのはワシル・ロマチェンコである。ロマチェンコを知らない人はぜひYoutubeで彼のKO集を見てもらいたい。異次元のスピードとテクニックである。

井上尚弥は2018年9月現在、各種のボクシング専門誌でPFPトップテン(PFP5位~6位)に位置づけられることが多い。彼は現役のうちにPFPトップに君臨することができるだろうか。少なくとも、手を伸ばせば届きそうな位置まで来ていることは間違いない。

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