Fujifilmのミラーレス一眼カメラ、X-E3 + XF23mmF2 R WRを購入しました。
作例付きのレビューは別の記事で公開しておりますが、今回 の記事では購入にいたった経緯をご紹介したく思います。
Contents
なぜミラーレスにしたか?
そもそもなぜデジタル一眼レフではなく、ミラーレスにしたか。
ほんの数年前までは、「ミラーレス一眼なんて画質が中途半端で、持つ意味がない」と言われていましたが、現代のミラーレス一眼の進歩は著しいです。ここ最近は「ミラーレス一眼はデジイチを超えた」などと言われることが多いです。
一番のメリットは軽量性。一眼カメラを初めて購入する方は見落としがちなポイントですが、軽量性は趣味のカメラにとって一番大事な要素です。初めての一眼を買ったけれど、重くてタンスで眠っているという話はめちゃくちゃよく聞きます。
画質についてはミラーレスと一眼レフの差はほとんどなくなってきています。であれば、軽量性に優れるミラーレス一眼の方が優秀ということです。
なぜ富士フイルムのカメラにしたか?
ミラーレス一眼の世界には、フジのライバルとしてオリンパスやソニーもいますが、彼らと比べた富士フイルムの特長は次のようなものがあります。
- JPEG撮影時の色が綺麗である。
- カメラ自体のデザインが秀逸。
- 軽量で取り回しがよく、機動力がある。
- 単焦点レンズの銘玉が多い。
前者2点「JPEGの色」「カメラのデザイン」は主観的な話ですが、富士フイルムのカメラを買う人は、これらの点が決め手となって購入する人が非常に多いです。カタログスペックよりもフィーリング・直感重視の選択といえるかもしれません。
オリンパスのOM-Dシリーズのイメージは「優秀」「便利カメラ」です。軽量性、ズームレンズの画角カバー範囲の広さ、センサーゴミ除去機能の高さ、手振れ補正などなど、機能面では間違いなく一番使いやすいです。画質とカメラデザインがどれだけ重要かによりますが、非常に良いカメラです。
ソニーはフルサイズの重い・高い・高画素数のミラーレス(α7、α7R2などなど)をいっぱい出しており、「カタログスペックの鬼」というイメージ。APS-Cサイズのα6500はどちらかというとフルサイズシリーズのおまけのようなイメージで、レンズの充実度は低いです。
以上から、軽量のミラーレスであれば富士フイルムかオリンパスの二択。画質重視なら富士フイルム、機能重視ならオリンパスというイメージかと思います。
画質・作例
せっかくなので、少しだけ作例を掲載します。画像サイズを下げるために画質は落としています。
その他作例については、下記記事をあわせてご参照ください。
カメラのデザイン比較
カメラのデザインは以下のような感じです。
拡大画像:
左からSonyのα6500、オリンパスのOM-D E-M10 MarkII、FujifilmのX-E3です。Sonyはレンズキットが無いので、ボディのみの写真になっています。オリンパスだけ上部に突起があるのが特徴的です。
オリンパスのカメラは「ガジェット」感があり、富士フイルムやソニーのカメラは「カメラ」感のあるデザインになっているように思います。
SonyとFujifilmは正面から見るとそこまで変わらないように思うかもしれませんが、上部ダイヤルや細部の作りこみで、実物を見ると圧倒的にFujifilmがかっこいいと思います。
富士フイルムのミラーレスの軽量性
ミラーレスカメラの軽量性においては、富士フイルムとオリンパスは非常に優秀という印象です。Sonyはやや劣ります。
とりあえず、ズームレンズ1本付けっぱなしと考えて、各社のミラーレスカメラの重量比較をしてみましょう。レンズは軽量なミラーレスに見合う軽量設計のものをなるべく選んでいます。
- 富士フイルム+ズームレンズ
ボディ:X-E3 (287g)
レンズ:XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II (195g)
合計:482g
- オリンパス+ズームレンズ
ボディ:OM-D E-M10 MarkII (351g)
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ (93g)
合計:444g
- ソニー+ズームレンズ
ボディ:α6500 (410g)
レンズ:E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS (116g)
合計:526g
ズームレンズでは、意外と各社似たような重さ(500mlペットボトル1本程度)で組むことができました。しかし、この中ではやはり、FujifilmのXC16-50mmF3.5-5.6 OIS IIがレンズの画質評価が格段に良いです。
※ソニーのズームレンズとしては、画質を考慮して上記の軽いものよりも、Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS SEL1670Zを選ぶ方が多いかと思います。この場合レンズ重量が308g、合計重量718gと、結構しんどい重さになります。
※富士フイルムは、電動ズーム式のXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ (135g)を先日発売していますが、このレンズは評価が定まるまでやや待ちたいところ。もし評判が良ければ、X-E3に付けるズームレンズはこれ一択かと思いますが、電動ズームがやや微妙というクチコミもあり。
なお、X-E3の標準キットレンズであるXF18-55mmF2.8-4 R LM OIS (310g)は、X-E3に付けるには重すぎるとの声が多いです。X-E3を購入される際、ズームレンズキットを検討されている方はほんとうにその選択で良いかどうか慎重に検討しましょう。
単焦点レンズの豊富さ
富士フイルムは、X-E3に付けたいような軽量単焦点レンズのラインナップが非常に充実しています。中でもオススメなのが以下のF2シリーズ。
- XF18mmF2 R (116g)
富士フイルムには珍しいパンケーキレンズで、軽くて扱いやすいのですが、換算27mmのやや微妙な画角(iPhoneと同じ画角なので、現代人に馴染みのある画角といえるかもしれませんが)。風景用とストリートスナップや室内用に対応できる、と言ってみればいいかんじにも思えてきますが、風景用にはやや狭く、ストリートスナップ用にはやや広いという感じかもしれません。まあ、画角は人それぞれの好みが激しいので、一般化できる話ではないですが。風景に特化したいなら、XF14mm (235g)やXF16mm (375g) というレンズがあります。
- XF23mmF2 R WR (180g)
(ブラックもあります)
銘玉です。より高級なXF23mmF1.4 R (299g) もありますが、画質は微差ですので、X-E3に付けるには軽くて防塵防滴のXF23mmF2をお勧めします。
なお、X-E3の単焦点レンズキットにはこのレンズが付属します。公式にもX-E3に付ける単焦点レンズとしてオススメということでしょう。
- XF35mmF2 R WR (170g)
より高級なXF35mmF1.4 R (186g)もあります。こちらのF1.4Rは富士フイルムでも一、二を争うほどの銘玉で神レンズと呼ばれており、しかも軽量です。したがって、防塵防滴が必要なければF1.4Rがいいでしょう。
- XF50mmF2 R WR (200g)
このレンズには、Fujifilm社内に焦点距離が近いライバルレンズが2つあります。XF56mmF1.2 R APD (404g)とXF60mmF2.4 R Macro (213g) です。前者はポートレート撮影に特化したレンズです。重くて高いけど画質は最高(ただし寄れない)。後者はマクロ撮影ができます。XF60mmはオートフォーカスが遅いと言われているので、その点はご注意を。
これら二つのレンズと比べて、XF50mmは何かに特化しているわけではなく、何でもできる軽量万能レンズという感じです。ボケは綺麗ですし、それなりに寄れます。
これらF2シリーズは、「軽量性を重視しつつ画質は文句無し」という、富士フイルムの理念を体現する素晴らしい単焦点レンズシリーズです。富士フイルムはこれがあるので、この良さが分かる人にとってはなかなか他社のカメラを使う気がおきません。
F2シリーズ以外で、富士フイルムの軽い単焦点レンズといえば以下があります。
- XF14mmF2.8 R (235g)
風景用レンズは14mm, 16mm, 18mmのどれを選ぶかかなり難しいです。14mmはパースがかなり付くので人物撮影や物撮りには使いづらく、風景に特化した画角といえます。
- XF16mmF1.4 R WR (375g)
重さと価格が大丈夫であれば、風景用+ストリートスナップ用の広角レンズとしてはこちらの16mmがちょうどいいと思います。
- XF27mmF2.8 (78g)
富士フイルムには珍しいパンケーキレンズ。換算40mm余りというあまり一般的ではない画角ですが、X-E3に付ける標準レンズとしてはかなり相性が良いと思います。
- XF35mmF1.4 R (186g)
上述のとおり、良い単焦点レンズの多いFujifilmの中でも一、二を争う銘玉です。
- XF60mmF2.4 R Macro (215g)
マクロ撮影がしたい方に。AFが遅いのは要注意。
楽しくて、少しレンズを紹介しすぎてしまいました。
なぜX-E3にしたか?
今、富士フイルムのミラーレスから選ぶならいろいろと選択肢があります。
現行機種ではX-Pro2、X-T2、X-T20、X-E3、X-A5、X-A3があります(X-H1はとりあえず選外)。
型落ちでは、X-Pro1、X-T1、X-T10、X-E1、X-E2辺りも選択肢にあがりやすいです。
さらに、レンズ固定式ですがX100Fという非常に優秀な高級コンデジもあります。
この中でX-E3と迷いうるとしたら、X-T2、X-T20、X-E2、X100F辺りでしょうか。
単純に言ってしまえば、
防塵防滴ならX-T2。チルト液晶が必須ならX-T20。型落ちで良ければX-E2。レンズ交換をしないならX100F。
X-E3の特徴としては、
- 軽い。
- ジョイスティックならぬ「フォーカスレバー」(AFスティック)がついており、使いやすいと評判。
- タッチパネル対応。ただしこちらは「まあ使える」というくらいの評判。
- 内蔵フラッシュが無い。
またX-E2と比べると、オートフォーカスのスピードを含め、全体的に少しレベルアップしています。
X-E3 + XF23mmF2 R WRとX100Fの比較はドツボにはまると延々とハマりつづけますが、ポイントだけ挙げると以下のような感じ。
- X100Fについているレンズは23mmなので画角は同じ。
- 描写はX100Fが解放付近でゆるめ。
- 撮影可能最短距離はX100Fの方が短い(=X100Fの方が接写が得意)。
- デジタルテレコン機能があるため、X100Fはレンズ交換せずとも50mm・70mm相当での撮影が可能。
デジタルテレコン機能は一見邪道のようですが、それほど画質に悪影響なくふつうに使えると評判です。レンズ交換式のX-E3にもぜひつけてほしい機能。
私がX-E3を選んだのは、主に以下の理由からです。
- 肩こりが酷いこともあり、軽量性を特に重視する。
- スナップ撮影をするので、AFは速ければ速いほど良い。
- 画質はなるべく良い方が良い。
- 防塵防滴やチルト液晶は不要。
- フォーカスレバーがあるのでピント合わせが速い。
実際に使ってみてとても満足しています。
ピント合わせについては、速さ重視の場合にはフォーカスレバーで移動するよりも、半押しでピントを合わせてからカメラの向きを変えてフレーミングを行う方が速いです。
ただ、ある程度以上カメラの振りが大きい場合はコサイン誤差が気になるので、基本的にはフォーカスレバーである程度ピント合わせをしたい点までフォーカスポイントを動かしてからピント合わせをしています。というわけでフォーカスレバーはかなり役立っています。
フォーカスレバーがあって軽量のカメラとなると、現状はX-E3一択です。
なぜ単焦点レンズキットにしたか?
上述のとおり、ズームレンズキットに付属のズームレンズXF18-55mmF2.8-4 R LM OIS (310g)は、X-E3に付けるには重すぎます。
X-E3の軽量性を尊重するのであれば、ズームレンズが欲しくてもズームレンズキットは買わない方がいいと思います。
標準ズームレンズが欲しければ、単焦点レンズキットまたはボディのみで購入したうえで、ズームレンズは別のものを購入した方がいいのではないかと思います。具体的には、X-E3に標準ズームレンズを付けるなら以下の2つのどちらかでしょう。
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II (195g)
XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ (135g)
今回の記事では、X-E3を選ぶまでに調べたことなどをまとめましたが、
次回以降でX-E3に施した設定や実際に使用してみたレビューを書いていきます。
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1 comments On Fujifilm X-E3を購入した。なぜオリンパスやソニーではなくフジを選んだか。
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