ロシアW杯日本代表ベスト16についての評価と感想+選手採点

日本にとっての2018年サッカーロシアワールドカップが昨日終わってしまいました!

終わってみれば、グループリーグは1勝1敗1引き分けの勝ち点4。

  • グループリーグ1戦目:3分で退場者を出して10人になったコロンビアに2-1で勝利
  • グループリーグ2戦目:セネガルに2-2の引き分け
  • グループリーグ3戦目:ポーランドに1-0の敗北
  • 決勝トーナメントは初戦のベルギーに3-2の敗北。

で、合計1勝1引き分け2敗でベスト16という結果に終わりました。

 

ベスト16という結果について

振り返ってみれば、日本はワールドカップで以下のようにグループリーグ敗退とベスト16入りを繰り返してきました。

1998年:グループリーグ敗退(フランス)
2002年:ベスト16(日韓)
2006年:グループリーグ敗退(ドイツ)
2010年:ベスト16(南アフリカ)
2014年:グループリーグ敗退(ブラジル)
2018年:ベスト16(ロシア)

2002年は自国開催というアドバンテージを持ちながらの初のベスト16入り2010年他国開催での初のベスト16という日本にとっては歴史的な一歩だったわけですが、

2018年に関してはそういった特別な意味のない、「今まで通りの」ベスト16です。そういう意味では、今までのベスト16と比べると価値はどうしても落ちてしまいます。

 

西野監督の評価について

西野監督については、以下の3点から高評価を下すことができます。

  1. ハリルホジッチ監督の電撃解任からごくわずかな準備期間で臨んだワールドカップで、ベスト16という最低限の結果を残したこと。
  2. グループリーグ2戦目のセネガル戦や、決勝トーナメント1戦目のベルギー戦でともに2得点と、攻撃についてはある程度通用する形を作ったこと。
  3. スタメンを6人入れ替えたグループリーグ3戦目のポーランド戦の酷い内容からも逆説的に分かるとおり、ポーランド戦以外の先発メンバーに関してはほぼベストのメンバーがしっかりと選ばれていたこと。

特に、今大会で大きく株を上げたといえるDFの昌子源選手、ボランチの柴崎岳選手、左サイドの乾貴士選手の起用については、西野監督のナイスな采配が光ったといえます。

 

一方、以下の3点からは西野監督の評価に疑問符がつきます。

  1. 結果的に、1勝1分け2敗という戦績であり、好成績とは言い難い。しかも唯一の一勝は、早々に退場者を出して10人になって自滅したコロンビア戦のみである。
  2. ベルギー戦で一時は2-0とリードしたものの安易な形での失点を重ね、結果3-2で敗れてしまった。リードを守り切るための策を持っていなかった。
  3. 交代選手の層が非常に薄かった。

 

特に3に関して、ベルギー戦では、選手がかなり消耗している中で、交代で出したい選手が誰もおらず、結果的に交代枠を1つ余らせたまま終戦を迎えてしまいました。

「選手層が薄いのは監督の責任なの?」と思われるかもしれませんが、選手層が薄いのはワールドカップのメンバーに選んだ23人の選定が甘かったということです。

たとえば、ポルトガルやオランダで活躍する若手の中島翔也選手や堂安律選手、ベルギーで活躍する久保裕也選手や森岡亮太選手、スペイン2部の井手口陽介選手といった若い才能が今大会の代表から惜しくも落選していますが、ケガの影響で使い物にならなかった岡崎選手や大島僚太選手の代わりに、たとえば中島選手や堂安律選手、あるいは井手口選手がいれば、交代の選択肢がもう少し広がったかもしれません。また4年後に向けた経験という意味でも、どうせ出られないのなら若い選手をベンチに入れておく方が日本の未来には繋がります。

 

私個人的には、短い準備期間でありながらハリルホジッチ時代よりははるかに魅力的な攻撃の形を見せてくれ、日本代表のサッカーを楽しむことができたという点で、西野監督については高評価と考えています。

 

ポーランド戦のパス回しという戦術について

グループリーグ3戦目のポーランド戦の後半35分頃、ポーランド1-0日本とリードされていて、同時に他会場で行われているセネガル―コロンビア戦がそのまま終われば日本代表の決勝トーナメント進出が決まるという状況で、その試合には負けている状態にもかかわらず、日本はディフェンスラインでパス回しをして時間稼ぎをするという戦術に出ました。

ポーランド代表としてはどのみち決勝トーナメント進出の可能性は既になく、またこの試合には1-0で勝っているので特に深追いすることもなく、そのまま試合は1-0で終了。無事、他会場の試合もそのままコロンビア1-0セネガルで終了したので、日本代表の決勝トーナメント進出が決定しました。

 

結果的には西野監督の決勝トーナメント進出戦略は成功したといえるわけですが、この戦術について各方面から喧々諤々の議論が噴出しました。主に目立ったのは、以下のような意見。

  • (各国メディアから)つまらない試合だった。1-0と負けている状態でパス回しをするなんて、日本代表にプライドはあるのか?
  • (日本ファンから)日本代表が全力を尽くして戦うところが見たいのであって、負けている状況でのパス回しのような卑怯な時間稼ぎで決勝トーナメントに進出するところなど見ても楽しくないし応援する気にならない。
  • (日本ファンから)もしセネガルが1点でも取ったらどうするつもりだったのか?あまりにリスキーな選択だ。
  • (日本ファンから)少しでも上を目指すために、それがベストな戦術だったのであれば何も批判することではない。ボクシングでリードしている方が最終ラウンドに踏み込まないとか、野球で強打者を敬遠するとか、柔道でリードしていれば最後は時間稼ぎをするなど、他の競技でもよくある戦術。

 

これに関しては、それぞれのファンが何を楽しみにして日本代表の試合を見ているかにもよるので、これという結論はやはり出ないです。

私個人の意見は最後の意見に近いです。他の競技でもリードしていれば逃げ切りを目指すのはよくあることだし、特にワールドカップという舞台では上に進むことが一番大事なので、全然ありだと思います。

 

各選手の評価について

最後に、私なりに今大会の各選手を10点満点で採点し、順位付けしてみました。

1位MVP:柴崎岳(ヘタフェ/スペイン) 8点

全ての攻撃が柴崎選手を起点に始まっていました。遠藤保仁選手の後継者として文句無しの攻撃センスです。今回の活躍で、CLに出場するようなビッグクラブへの移籍が加速するのではないでしょうか。

2位:乾貴士(エイバル→べティス/スペイン) 7.5点

左サイドから攻撃を組み立てるという日本代表の戦術のためでもあるのですが、攻撃によく絡んで結果を出しました。ベルギー戦での目の覚めるような無回転シュートのゴールを含む2ゴール1アシストという結果は十分素晴らしいといえます。

3位:酒井宏樹(マルセイユ/フランス) 7点

対人に強く、攻撃にも守備にも非常によく効いていました。ボールを失わず、前に運ぶことによく貢献していました。

4位:吉田麻也(サウサンプトン/イングランド) 7点

守備リーダーとして大活躍。おそらく相手選手のシュートデータをよく頭に入れていたのかと思いますが、相手選手のシュートに足を出してブロックしている場面がよく見られました。GKの川島選手の調子に不安があった今大会、吉田選手のシュートブロックは何点か救っている可能性があります。昔はポカが多いといわれた選手ですが、今大会では非常に安定していました。

5位:昌子源(鹿島アントラーズ) 7点

吉田麻也選手とのセンターバックコンビは、今大会の日本代表の大きな武器でした。守備が崩壊した試合は一つもなく、若手ながら大抜擢に応えて素晴らしい活躍をしました。4年後、8年後のワールドカップでも活躍が期待できる嬉しい人材です。

今大会はベンチ入りしながらも出場できなかった植田直通選手と、鹿島アントラーズでセンターバックコンビの連携を磨いて4年後のワールドカップでも最高の守備を見せてほしいです。(4年後は吉田選手もまだ活躍できる年齢ですが)

6位:長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) 6.5点

ボランチとして相棒を務めた柴崎選手に攻撃を任せ、長谷部選手は守備でよく効いていました。クラブではセンターバックの経験もある長谷部選手なので、彼の守備は安心して見ることができました。

7位:香川真司(ドルトムント/ドイツ) 6点

日本代表一番のスター選手として、マークを受けながらも最低限の仕事をしました。狭い局面での技術を武器とする香川選手ですが、今大会は少しバタつく場面もありました。彼がもう少し調子が良ければ…と思うと、そこがやや残念です。世界最高の選手と比べるのは酷ですが、ベルギー代表のアザール選手などと比べると、見劣りしてしまいました。

8位:大迫勇也(ケルン→ブレーメン/ドイツ) 6点

一戦目のコロンビア戦ではヘディングでゴールを奪い、「半端ないって」を流行語としました。その後、ベルギー戦ではポストプレーでベルギーのコンパニ選手に勝ちまくり、良い起点となっていました。ただ、結果的にたったの1ゴールに終わってしまったのが、ワントップの選手としては寂しいところ。

9位:原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ) 5.5点

ベルギー戦での1ゴールは見事。ただ、それ以外では大きな見せ場もなく。

10位:本田圭佑(パチューカ/メキシコ) 5.5点

コロンビア戦でのアシスト、セネガル戦でのゴールと結果を残したのはさすが。大舞台に強い本田選手の真価を見せました。ベルギー戦でも惜しいフリーキックを放ちましたが、終了間際のコーナーキックで安易なキックによりベルギーのカウンターを招いたことで評価を下げてしまいました。

11位:長友佑都(ガラタサライ/トルコ) 5.5点

やはり四年前と比べると、守備力、攻撃力ともに少し落ちてしまった印象。可もなく不可もなく。

12位:宇佐美貴史(デュッセルドルフ/ドイツ) 5点

出場時間が短く、大した見せ場も作れず。

13位:武藤嘉紀(マインツ/ドイツ) 5点

同上。

14位:酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ) 4.5点

ポーランド戦ではなぜか右サイドで出場。いくつものチャンスを潰してしまった。ただ、慣れないポジションで出場した酒井高徳選手を責めるのは酷であり、ここは彼を謎の右サイドで先発させた西野監督を責めるべきか。

15位:山口蛍(セレッソ大阪) 4.5点

出場時間は短く、特に活躍もせず。

16位:岡崎慎司(レスター/イングランド) 4点

ケガの影響で全く走れず、ポーランド戦では早くに交代となりチームに迷惑をかけてしまった。ワールドカップに出場したかったのは分かるが、自分のコンディションはきちんと把握し、走れないなら走れないと監督にきちんと言って出場を避けてほしかった。

17位:川島永嗣(FCメス/フランス) 4点

ゴールキーパーは川島選手に限らず、日本が外国に大きく劣っているポジションであり、川島一人を責めるのは酷である。しかし、他国と比べて日本のゴールキーパーが穴だったのは事実である。

18位:槙野智章(浦和レッズ) 4点

唯一出場したポーランド戦では危なっかしい場面が多く、昌子選手の有用さを際立たせただけであった。もしかしたらベンチから雰囲気を盛り上げてくれていたかもしれないが、そこまでは我々には分からない。

———-不出場により採点対象外———–

遠藤航(浦和レッズ)

植田直通(鹿島アントラーズ)

大島僚太(川崎フロンターレ)

東口順昭(ガンバ大阪)

中村航輔(柏レイソル)

 

サッカー協会について

日本サッカー協会はいったい何をしているのでしょうか?日本代表の足を引っ張るためだけに存在する機関なのでしょうか?

ハリルホジッチ監督の電撃解任についてはいろいろな論調がありますが、私個人の意見としては、ハリルホジッチ監督があまり良い監督ではないことは彼の発言や試合内容等から早々に分かっていたことなので、もっと早くに切るべきでした。

ハリルホジッチ解任に踏み切ったことは評価できますが、そもそもハリルホジッチを選んだのも協会。また、ワールドカップ開幕直前での解任という最悪のタイミングであったことを考えれば、お粗末という他ありません。

また2014年のブラジルワールドカップでも、日本サッカー協会が試合会場から遠すぎるイトゥというキャンプ地を選定しておいて、試合会場が決まってからも変更しなかったことが選手のコンディション不良、ひいてはグループリーグ敗退の一因とされています。

4年後の2022年カタールワールドカップで日本代表が最高の結果を出すためには、何よりもまず日本サッカー協会にテコ入れがなされることを、イチ日本代表ファンとして切に望みます。

 

まとめ

ハリルホジッチ監督の頃は実績・内容ともに寒々しい状態で、かなり期待が低い状態でした。しかしロシアワールドカップ直前に西野監督に交代し、ふたを開けてみればベスト16という最低限の結果を出しました。

また攻撃陣はなかなか機能して、大会4試合を通じて合計5ゴールを奪いました。自国開催だった2002年の5点の後は、2006年が2点、2010年が3点、2014年が2点しか取れていなかったことを考えると、これは大きな進歩であるといえます。

準備期間が短い中でなかなか楽しませてくれた、そんな日本代表にありがとう!!

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